改憲手続き法の可決強行に抗議する二〇〇七年五月十四日 農民運動全国連合会会長 白石淳一
自民・公明の与党は十四日、参院本会議で国民投票法案の採択を強行し、可決、成立させた。 同法案は、国会論戦の中で様々な問題が浮き彫りにされ、世論調査でも圧倒的多数の国民が徹底審議を求めている中での暴挙であり、政府与党に満身の怒りを込めて抗議する。採決に手を貸した民主党の責任も厳しく問われなければならない。 国民投票法は、憲法九条を改悪するための地続き法である。しかも、最低投票率を定めていないため、投票率によっては国民の二割、あるいは一割台の少数の賛成でも国の最高法規である憲法を変更できるという重大な問題点を抱えている。また五百万人もの教育者や公務員から自由に意見表明を行う権利を奪い、財界などが有料の意見広告で世論を誘導することができるなど、不公正で非民主的な仕組みが幾重にも盛り込まれている欠陥法である。 私たちは、国民投票法の危険性と違法性を国民に訴え、同法の発効を許さないたたかいに全力をあげるものである。 六千を超える「九条の会」の運動や全国の共同センターの取り組みの中で、「憲法改正に賛成」の世論が顕著に減少してきている。改憲のねらいがアメリカとともに海外で戦争することにあることが国民の中に伝われば、改憲反対の圧倒的な世論結集は可能である。 憲法九条と食糧主権は、農業を発展させるうで不可欠であり、九条なくして農業・食糧を守ることはできない。 農民連は、「戦争する国づくり」をねらう憲法改悪に反対する世論と行動を農山村から展開し、壮大な国民共同のたたかいに発展させるために全力をあげるものである。そして、当面する参議院選挙において改憲勢力に痛打を与える大きな世論喚起のたたかいを全国に呼びかけるものである。
(新聞「農民」2007.5.28付)
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[2007年5月]
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