今年も「大豆」コーナー
スローフードフェア2007
横 浜
生産者・消費者 楽しく交流
関連/ひろがった歌と踊りの輪
安心・安全な国産品に強い関心
食べてわかった生産者の思い
食の多様性や味覚を守り、生産者と消費者を結ぶスローフード運動。その全国的なイベント、「スローフードフェア2007」が四月二十八、二十九の両日、横浜市のパシフィコ横浜で開かれました。主催は、スローフードジャパン、横浜スローフード協会。
地域振興の一つの柱
各地のスローフード協会やスローフードに取り組む団体による出展、食を考えるセミナーなど、参加者は交流を楽しみました。「スローフードに興味を持っている」という水野如美さん(23)=大学職員=は「生産者の思いが詰まった農産物が消費者にそのまま伝わり、実感できるのがスローフード。今回も交流して楽しみたい」と期待を寄せていました。
昨年に引き続き、今年も大豆をテーマにしたイベントを開催。なかでも大豆の在来品種を守ろうという取り組みが大きな注目を浴びていました。神奈川県の津久井大豆は津久井地域で古くから農家の自家加工用として栽培されてきた「幻の大豆」。近年、地域振興の一つの柱として普及活動が始まっています。
大豆を使って食育
大豆コーナーには、津久井大豆で作られたみそ、豆腐、納豆などが並んでいました。神奈川県立相原高校(相模原市)食品化学班の生徒たちは、津久井大豆を使って、「ふりかけ風おから佃煮」を開発。きっかけは、同校が小学生に行ったアンケートで、野菜や魚嫌いが多かったこと。「なんとか野菜や魚を食べてもらえないか」―。そう考えた末に、日本人に親しみがあり用途も多い大豆を使って食育を始めることにしました。
県農業技術センターから三百グラムの津久井大豆の種を分けてもらって校内の畑で栽培し、十六キロも収穫できました。大豆で豆腐を作った際に、おからが残り、「このおからを使ってふりかけにすれば、野菜・魚嫌いの子どもでも食べてくれるのでは」と思いついたのです。
同校二年の小山由佳梨さんは「子どもたちに食の大切さをわかりやすく伝えることに苦労しましたが、わかってもらったときの笑顔を見るのがうれしかった。地域の子どもたちにも広げたい」と抱負を語っていました。
県南農民組合も
二年連続の出店となる茨城県の県南農民組合は、遺伝子組み換えでない安全な国産大豆をアピール。政府の政策によって、多くの農家が補助金の対象からはずされようとしているもとで、大豆の自給率を大いに上げようと訴えました。
事務局の平川智之さん(24)は「消費者の関心が安全・安心な国産のものに向いているのがわかりました。試食してもらって笑顔で応えてくれるのがうれしかった。困難ななかで農業を続けている農家を改めて見直すきっかけになったのでは」と話していました。
ひろがった歌と踊りの輪
茨 城
夏日となるほどの好天に恵まれた四月三十日、遠くは福島県いわき市や兵庫県などから約四百人の参加者を迎え、茨城県結城市で「第九回菜の花まつり」が行われました。会場は、茨城県西農民センター会長の北嶋誠さん所有の菜の花畑と雑木林。
今年の菜の花は、前年よりも大きく花が咲き、日差しを受けまぶしいほどに輝き、畑の中ではたくさんのミツバチが忙しくみつを集め、辺りにははちみつのような芳しい香りが漂い、そこにたたずんでいるだけでもなんとも幸せな気分。雑木林は新緑に満ち、心地良い風が吹き抜けます。
木漏れ日の中のステージでは、歌やコカリナの演奏のほか、腹話術も(写真〈写真はありません〉)。国産ナタネ油で揚げたセリや山菜の天ぷら、国産小麦粉百パーセントのホットドッグ、豚汁、焼きそば、農産物やフリーマーケットなどの模擬店がにぎやかに並び、会場内では食料自給率向上や憲法改悪反対の署名も集められました。
フィナーレはヒューマン・ファーマーズの「水田」の演奏に合わせ、歌と踊りの輪が広がりました。
(茨城県西農民センター 久保幸子)
(新聞「農民」2007.5.21付)
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