審議つくさぬまま改憲手続き法案衆院で採決強行
“参院で必ず廃案に追い込もう”憲法九条の改悪をねらう改憲手続き法案が、四月十三日、衆議院で自民・公明の両党により強行採決されました。日本共産党、社民党、民主党は出席して反対、国民新党は退席しました。同法案を特別委員会で審議したのは、実質二回、五時間十五分だけ。十二日の特別委員会では怒号が飛びかうなか、自民党の中山太郎委員長が職権で討論を打ち切って採決を宣言。与党議員が起立して「可決」されました。 改憲手続き法案には、大きく分けて三点の問題点があります。第一点は最低投票率の定めがなく、投票率が下がった場合、国民のごく少数の賛成票で改憲できてしまうこと。第二点は、五百万人にのぼる公務員・教育者が自由に意見表明や運動することを禁じようとしていること。第三点は、投票日十五日前までは有料の意見広告が自由にでき、憲法改悪を叫ぶ財界が財力にあかせて大宣伝できる、ということです。 事態の緊迫した十二日、国会周辺には全国から千七百人がかけつけ、座り込みや国会傍聴、議員面会所での緊急集会などが行われ、農民連も参加しました。安倍政権・与党は、同法案を今国会で成立させようとしています。参議院で必ず廃案に追い込みましょう。
世論にそむく暴挙国会へ向けて怒りの集会・デモ「徹底審議をつくせ!」「憲法改悪をねらう手続き法案は廃案に」――衆議院の憲法調査特別委員会で採決が強行された四月十二日の夜、東京・日比谷野外音楽堂で「STOP!改憲手続き法案4・12大集会」が開かれました。集会には、農民連をはじめ五千人が参加。日本共産党の志位和夫委員長、社民党の福島瑞穂党首が出席し、国会報告をしました。志位委員長は、徹底審議をのぞむ国民の世論を無視して強行採決した自民・公明の与党の暴挙に強く抗議。NHKの世論調査でも、今国会で成立を望む声がわずか八%しかないことを紹介して、「自民・公明が改憲手続き法案の採決を急ぐのは、海外で戦争できる国づくりがまっとうな国民投票ではとうてい通らないことを知っているから。改憲勢力がいかに国民の声を恐れているか。憲法を守る一点で共同を広げ、廃案に追い込みましょう」と訴えました。 詩人のアーサー・ビナードさんは、怒りと緊張みなぎる会場に、ときおり笑いを巻きおこしながら、「日本国憲法は古い、だから取りかえようというのはまちがい。世界一の日本国憲法を変えられないように、皆の力を合わせましょう」と呼びかけ、大きな拍手が起こりました。 集会後、国会までデモ行進しました。
(新聞「農民」2007.4.23付)
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[2007年4月]
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