「農民」記事データベース20070416-776-06

能登半島地震現地リポート

農民連青年部 森吉秀樹事務局長

 能登半島地震の被災地に、救援活動のため現地入りした農民連青年部事務局長の森吉秀樹さんのリポートです。


地割れ棚田が崩れる2次被災

余震に不安、避難所で寝泊まり

 能登半島地震の発生から四十八時間が経過した三月二十七日朝、被災地に入り、石川県農民連の西忠恭事務局長と合流。五日間、被災地の状況を農民連本部に伝えながら、救援農産物の受け入れと避難所への配達や、田んぼや農業施設の被災状況調査と農家からの聞き取りを行いました。

 被災者が最も多い輪島市を中心に活動しましたが、活動の拠点となった建物の入り口にも「要注意」と書かれた黄色い紙が張られ、家屋が倒壊した被災者は「評価が終わるまで家の処分ができないが調査に来ない」「余震による家屋倒壊が不安なので夜は避難所で寝ている」などの不安を漏らしていました。

 コンクリート電柱がしなるほどの強い余震を体験しながら、被害が最も大きかった門前地域に入りました。ここは水田地帯で、道下(どうげ)集落では家屋がほとんど損壊し、全壊を免れた家屋も傾いたり、屋根瓦がはがれ落ちたりしていました。屋根をビニールシートでおおう人や、壊れそうな家からトラクターなどの農機具を運び出す人の姿が見えました。

たいへん喜ばれた新鮮野菜・みそ・果物

 避難所に農産物の支援を申し出ると「婦人会の負担が大きく、炊き出しを今日で休止するが、できれば再開したい」との返事。後日、救援物資を持って再び訪問すると、週末を利用してかけつけた炊き出しボランティアグループがさっそく調理していました。

 しかし、炊き出しの条件がある避難所は少数で、食事はおにぎりや炊き込みご飯と簡単なスープ程度。新鮮な野菜やみそ、海産物、柑橘(かんきつ)などの果物はたいへん喜ばれました。

 山間部にある別の避難所では、女性が「沢から引いている水を復旧したが、米を炊くにも余震で水が濁っている」「田んぼや農道が地割れしているが、市の農林水産課に担当者がいない」と話し、その後の雨で、地割れした棚田が崩れるなどの二次被害が出始めています。

 避難所生活が長引く中、被災者には疲労と不安が広がっています。避難所への農産物と炊き出し支援、農地の復旧対策などが引き続き求められます。


救援物資・義援金全国によびかけ

〈救援物資の送り先〉

〒928―0062 輪島市掘町一字一三―二 民医連輪島診療所気付 農民連支援物資受け入れセンターあて
TEL 0768(23)8686

〈義援金の振込先〉

郵便総合口座10030―61671711 農民連災害対策本部

(新聞「農民」2007.4.16付)
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2007年4月

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