「農民」記事データベース20070409-775-06

生物や遺伝子を特許にするな

生命特許シンポ 多国籍企業が独占化の動き

関連/食品分析センター募金者名(敬称略)


“反対の声広げよう”アピール採択

 WTO(世界貿易機関)をはじめ、アメリカ政府や多国籍企業が、改造した生物や解読した遺伝子を特許化して独占しようとする動きが強まるなか、三月二十一日、東京都渋谷区の日本青年館で、「生命特許を考えるシンポジウム」が開かれました(写真〈写真はありません〉)。主催は同シンポジウム実行委員会。

 基調報告を行った「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」の天笠啓祐代表が、生命特許の歴史にふれ、なかでも遺伝子組み換えの分野で進行していることを強調。「生命や遺伝子は工業製品ではないし、特定の企業の所有物でもないと主張しつづけることが大事」だとのべました。

 生物物理学者で英国オープン大学生物学部主任教授のメイワン・ホーさんが、遺伝子組み換え(GM)大豆を食べたラットの子どもの死亡率が高かった実験やGMポテトを食べたラットの臓器に異常がみられた結果を示し、GM作物がいかに危険かを力説。農業をモノカルチャー(単一栽培)化し、除草剤をまいても枯れないスーパー雑草や殺虫剤耐性害虫が増えたなどのマイナス面を指摘しました。一方で、中国古来の耕作スタイルを示し、モノカルチャーでない生物多様性農業、循環型農業を進める必要性を語りました。

 カトリック司祭のショーン・マクドナーさんは、「命は神様の贈り物。生物が本来持っている権利を尊重することが道徳であり、特許にすることはあってはならない」と批判。アグリビジネスによって、世界の農民が競争にさらされ、農民が創意工夫をこらし、はぐくんできた伝統農法と知識が破壊されている現状を語りました。

 参加者は、WTOとFTA、種を考えるなど九つの分科会に分かれて討論。シンポジウムでは、四日市大学の河田昌東さんが三月に行ったGMナタネの自生調査で、GMが多数検出されたことを報告しました。

 リレートークでは、GMでない国産の農産物を守ろうという大豆畑トラストや種まき大作戦、GMOフリーゾーンなどの取り組みを紹介。日本消費者連盟の山浦康明さんが、食糧主権を侵害するグローバリゼーションの問題点をのべました。

 最後に、「企業は、特許権保護を盾に、市民が有益な情報を利用するのを妨げています。また農家が農業を行う権利、消費者が安全に暮らす権利を奪ってきました。世界の市民と一緒に、生命特許反対の声を広げていきます」とするアピールを採択しました。


ありがとうございました

食品分析センター募金者名(敬称略)

2月14日〜3月2日

 北海道=小清水農民組合、秋田=最上健造、中田達雄、阿部健一郎、渡部鋼一、土橋茂、鈴木栄司、猪股義補、秋田農問研、秋田農民連常任委員、茨城=佐藤梅子、茨城鹿行産直センター、三村喜一、若林均、群馬=とね農林産物直売所利用組合、群馬県農民連、東京=杉本博子、須田俊子、服部和子、秋田春美、武藤幸子、石塚千恵子、大竹宮子、川島千枝子、山下信子、吉田幸子、華表てる、岩崎登美子、新婦人練馬ひまわり班、若木稜江、新婦人武蔵野つばき班、佐藤よし、小島洋子、小山アイ子、前土肥三枝子、熊野眞知子、江川邑江、下田知代、小関啓子、関町好子、熊谷光倫、新婦人中野城山班、中村美津子、小山喜弘、新婦人杉並あおい班小林センター、新婦人練馬くるみ班、三上信子、富山=富山県農民連定期大会会場、長野=小林節夫、京都=新婦人宇治さくらんぼ班、京北農民組合、日吉農民組合、亀岡農民組合、丹後ブロック、和知線下協議会、丹波農民組合、加悦農民組合、奈良=上田善信、植田節雄、杉田和男、東善彦、山口和久、横田邦治、吉野寛二郎、浦西康全、福岡=みのう農民組合


 訂正 3月5日付の募金者名を、次のように訂正します。長野=荒井啓蔵→荒井賢蔵、上の原龍一→上野原龍一。

(新聞「農民」2007.4.9付)
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2007年4月

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