「農民」記事データベース20070226-769-11

大会の発言から


子らに味覚取り戻してほしいと給食米を重視

山形県 菅井 巌さん

 私の地元・庄内の作家、藤沢周平原作の「武士の一分」が映画化されて話題になっていますが、私たちは今、まさに「農民の一分」をかけてたたかう時だと思います。

 私たち庄内産直センターは、約一万俵の米を集荷し、約四割を準産直に、そして約六割を精米で出荷しています。この精米出荷の大部分は、保育園や学校の給食米です。

 八八年から始まった横浜の保育園との「子育て健康米」は、最初は二園でしたが、現在は三十園を超え、米卸の紹介で都内の小・中学校にも給食米を供給しています。これに神奈川の学校給食も合わせると、百を超える保育園、小・中学校、高校に、私たちの米が届いています。

 なぜ、給食米を重要視するのかというと、日本人の胃袋を取り戻す大運動が大事だと思うからです。戦後、アメリカン・トレインに代表される、日本人の胃袋を奪う攻撃が繰り返されました。子どもたちに安全でおいしい米を届けて、日本人の味覚を取り戻してもらいたいと思っています。

 内閣府の調査でも、国民の九割が、「高くても国内で作る方がよい」と答え、食料自給率の向上を望んでいます。多くの消費者と交流を深め、農業と農村、ふるさとの現状を伝え、各地で「語る農民」「語る消費者」を広げていきましょう。

“要求実現”を第一にかかげて組合員拡大

奈良県 森口いち代さん

 奈良県農民連は三年前、北和、中和、南和の三つの地域センターをつくり、それぞれ専従を置いて活動を始めました。その時、北和センターの組合員は約八十人でしたが、この三年間で百七十人近くになりました。それは、「組合員の要求」を羅針盤に、その実現にとりくんできたからです。

 昨年は、組合員のつぶやきから新たな地場流通の活動が広がりました。兼業の組合員の「少量でも販売できる所を」という声に応えて朝市を始めたところ、障害者の共同作業所でもやりたいという話になり、周辺の農家に呼びかけて三人の農家が加わりました。ここは周辺に駐車場もなく、不安だったのですが、三十分で完売してしまい、これで確信を持ちました。

 次に始まったのは、古い住宅街にある、おばあさんと息子さんが細々とやっているお店です。その方は「もう店をたたもうと思っていたけれど、農民連さんから話をもらい、神様がもう少しがんばれと言っているのだと思った」と言います。こうした大手流通から取り残された地域に、草の根の地場流通を築いていきたいと思います。

 ある組合員は「これまで経験してきたどんな団体よりも農民連は親身になってくれる」と言ってくれます。この人はいま頼りになる農民連の活動家です。この言葉を原点として持ち続け、県連の目標である千人の組織めざしてがんばっていきたいと思います。

(新聞「農民」2007.2.26付)
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2007年2月

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