旬の味
新日本出版社から「タケ子」(稲光宏子著)が出版された。いま静かなブームをよんでいる。“世直し名医”と慕われた元参院議員・くつぬぎタケ子さんの青春譜だ▼国民病といわれた結核の療養所・千石荘病院(大阪府貝塚市)が彼女の青春の舞台だ。一九五〇年、占領下の日本に吹き荒れたレッドパージ攻撃をまともに受けた若い女性医師タケ子が患者や看護師と団結をかため不屈にたたかう姿を臨場感あふれる筆致で描き上げた文学作品▼“一気に読んだ。涙が出た”“生きる勇気をもらった”“若者に推奨したい”など感動的な書評集が大阪で回し読みされている▼年明け早々は、農民連の全国大会に出た。そこで見た。“農業の担い手作り”などと偽り、二百七十万戸の九割をパージしようと画策する亡国農政に“まった”をかけて決起する農民群像を。六十年前のタケ子像が目の前に再現されているではないか。“タケ子”の魅力を再発見した思いだ。農業つぶしとたたかう全国の仲間に薦めたい“旬の味”だ。 (西)
(新聞「農民」2007.2.12付)
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[2007年2月]
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