「農民」記事データベース20070205-766-15

旬の味


 日本の社会には、あまりにも多くの偽物が出回っていると近ごろつくづく感じる。年の暮れに両親が、大型魚市場で刺身を買った。店主によると、数日はしょう油漬けにしなくて大丈夫とのこと。食べる時に魚の色や光沢に不自然さを感じ、パックを裏返してビックリ。植物油に始まり、PH調整剤、保存料など添加物の羅列。新鮮な魚が売りの市場でこんなことがあるなんて▼友人と外食した時に出てきた刺身の薬味に、シソの実が添えられていた。その鮮やかな緑色に誘われて一粒口に入れたが、苦味だけで風味など全くない▼良いのは建前だけで、全く中身が伴わない現象が政治・社会・経済など様々な場でみられる。第一印象は良くても結局は空っぽならば、いつかはその信用も失うのは当然▼農民連全国大会のレセプションでは、各地からこだわりの食材が集まった。心を込めて作られた農産物や加工品は、それを食べる人の心にも響く。農民のもの作りへの熱意と誇りこそが、現代偽造社会に新風を吹き込む

(歩)

(新聞「農民」2007.2.5付)
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2007年2月

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