「農民」記事データベース20061120-757-06

石油製品高騰

ハウス燃料が2倍にも 困った

国民大運動実行委「価格安定を図れ」など要請


 石油製品が高騰し、国民生活や営業を直撃するなか、「軍事費を削って、くらしと福祉・教育の充実を」国民大運動実行委員会は十一月一日、経済産業省資源エネルギー庁を訪れ、石油製品高騰問題で要請を行いました。(写真〈写真はありません〉

 農民連のほか全国商工団体連合会(全商連)、全国生活と健康を守る会連合会などの代表が参加し、生活や営業への影響と実情を訴えました。

 石油製品の高騰による冬場の暖房費の負担増は、北海道をはじめ寒冷地の人々のくらしに深刻な影響を及ぼしています。また、運送業や建設業、農漁業なども直撃。コスト増を運賃、料金、単価に転嫁できない事業者が増え、原油、素材価格高騰の影響による倒産も昨年を大きく上回っています。

 要請では、(1)七千億円も利益を増やしている石油元売会社は国民に還元せよ(2)半年分以上備蓄している原油を放出して価格を下げよ(3)投機ファンドなどによる原油高騰の対策をたて、価格の安定を図れ―と求めたうえで、価格の引き下げ、低所得者・中小企業への負担軽減を要求しました。

 経産省側は「原油が量的に不足しているわけではないので、備蓄の放出はできない。石油元売各社は利益を上げておらず、売り惜しみの事実もない。元売会社への指導は考えていない」などの答弁に終始しました。

 農民連の石黒昌孝事務局次長は「農家もハウスの燃料代が一・八から二倍も上昇し、ビニールシートや資材も値上がりするなど、困り果てている。一方、農産物価格は下がるばかりだ。大赤字で営農できず、やめる農家もでている。節約しようとハウスの温度を一度下げたら、花が全滅したなどの話も聞く」など、農家の実態を訴え、対策を求めました。

 代表団は、新日本石油も訪れ、石油製品価格の引き下げや過剰利益の還元などを要求しました。

 農家からは「ハウスの温度を下げたら四カ月売り上げゼロで百二十万円の赤字」など切実な声が寄せられ、抜本的な対策が求められています。

(新聞「農民」2006.11.20付)
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2006年11月

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