「農民」記事データベース20060918-748-08

西東京市の農業講座

“農作業は ひとつひとつ ていねいに”

講師は農民連会員さん

関連/咲き誇るヒマワリ

 東京・西東京市は、都心から電車で三十分ほどですが、市内には三百戸以上の農家と百軒以上の直売所があります。「食の安心、みんなの健康、生活にうるおいー農家と市民が育てる豊かな農業」を合言葉に、農業の振興に取り組んでおり、そのひとつに公民館の「農業を知る講座」があります。東京農民連の会員で、新婦人の野菜ボックスにも出荷している保谷隆司さん(52)が、「講座」の講師を務めています。


食や環境の講義に、苗植え・苗床作りの実習も

 八月三十日、西東京市のひばりヶ丘中学校脇にある保谷さんの一ヘクタール余りの畑に、受講生二十六人が集まりました。六月から始まって来年三月まで続く「講座」では、農業や食、環境などにかかわる講義のほかに、保谷さんの指導で農業実習が行われています。

 十回目となったこの日は、炎天下のもと、ブロッコリーとカリフラワーの苗植えにはじまり、ダイコンの種まき用のマルチ苗床づくり、ニンジンの間引き、無農薬キャベツの害虫取りとハードな内容。指導する保谷さんは、汗をしたたらせながら、肥料や農薬散布の仕方、その効用など農作業の手順を詳しく説明。「マルチのビニールはしっかり張って。苗床がでこぼこだと、雨水がたまって土が固まり、ダイコンの生長が遅れる原因になる」「作業は、ひとつひとつ丁寧に。いいかげんにやってはダメ」と声をかけていきます。

 ほとんどが高齢者の受講生ですが、地下足袋に顔を覆う手ぬぐい姿が様になっています。「先生、ちょっと見てください」――気さくに質問しながら熱心にメモをとっていました。受講生の一人、桑原和正さんは「やっていて楽しいです。ふだん土に触れることはないですから」と、元気にクワを握っていました。

 講座を主催する住吉公民館分館長の香坂隆さんは、「人気の講座で希望者が多く、うれしい悲鳴です。これも保谷さんの熱心な指導のおかげ。この講座に参加した人が、自宅の庭先や市民農園で野菜づくりに取り組んでいます。なかには、自主サークルを立ち上げた人もいます」と、「講座」の成果をうれしそうに話してくれました。学校や市民に畑を開放している保谷さんは、「農業を知らない人に教えることは苦労が多いですが、こういう芽を大事に次につなげていきたい」と、汗びっしょりの顔に笑みを浮かべながら語っていました。


咲き誇るヒマワリ

訪れる客ドッと 茨城・筑西

 茨城県筑西市旧明野町のひまわりフェスティバル。九月三日は最終日とあって、多くの家族連れやカップルでにぎわっていました。二・八ヘクタールに約八十万本の東北八重のヒマワリが咲き誇り、その光景はまさに圧巻です。

(茨城県西農民センター 久保幸子)

(新聞「農民」2006.9.18付)
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2006年9月

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