「農民」記事データベース20060918-748-03

“おれの農地がとり上げられる”

強引な集落営農の組織化に不安

関連/食品分析センター募金者氏名(敬称略)


品目横断加入予定は3割未満

 農水省は今、品目横断対策の対象となる集落営農の組織化を強引に進めています。しかし、組織として同対策に加入するには、原則二十ヘクタール以上という規模要件とともに、(1)地域の農用地の三分の二以上の集積目標(2)規約の作成(3)経理の一元化(4)主たる従事者の所得目標の設定(5)農業生産法人計画の作成―の五要件を満たすことが必要。農水省が八月末に公表した集落営農実態調査の結果を見ても、全国で一万以上ある集落営農のうち、品目横断対策への加入を予定しているのは三割にも満たず、決して進んでいるとは言えない状況です。

 こうしたなかで農水省は、営農組合への「加入申込書」のヒナ型を作成。これには「次に提示する農用地について、貴組合の事業に供します」とあり、申請者である農家が自分の農地の地番や面積を記入するようになっていることが分かりました。これが今、農村の現場で波紋を広げています。

 岩手県奥州市江刺区のある集落の営農組合は八月、総会を開いて全会一致で解散を決めました。七月に農家から加入同意書を集めたばかり、わずか二カ月足らずでの解散です。

 きっかけは、江刺水田農業推進協議会が配った営農組合への「加入申込書」(案)。農水省のヒナ型とそっくり同じ様式でした。「農家から『おれの農地がおれのものでなくなる』という不安の声があがった」と、農民組合員の佐藤久人さんは解散に至った経過を説明します。

 農民連はかねてから、農水省が進める、補助金をエサにした画一的な集落営農の組織化を、「大多数の農家を生産から締め出すもの」だと批判。地域の条件を踏まえた助け合いの仕組みづくりこそ、集落を守るうえで重要だと主張してきました。

 佐藤さんは「江刺区には国や県がモデルとして持ち上げる組合があるが実態はまったく違う。一から出直して、どうやったら農地を荒らさず、維持していけるか、みんなで話し合っていきたい」と語っています。


ありがとうございました

食品分析センター募金者氏名(敬称略)

7月11日 〜31日

 岩手=佐々木忠雄、宮城=芳賀正子、山形=高橋喜一郎、茨城=いばらきふるさと産直ネットワーク、群馬=宮下歌子、埼玉=野本家六、千葉=野村忍、佐久間まさ、青木政子、渡辺優子、東京=全国一般東京地本、石黒昌孝、有坂哲夫、桐生マサ子、新婦人光が丘21班、沢田和子、小山順子、白石武実、阿部五百子、神奈川=滝口カツ子、宍戸晏代、上山由美、望月知子、神野一笑、岩田トシエ、若松由季子、田村南子、小澤真司、芦見正子、渡辺隆子、北田百合子、新潟=飯島公平、石川=池田治夫、小山久美子、近藤静子、新婦人緑の支部竹山ともだち班、折原志津枝、中川佐代子、中川友紀子、山梨=山田和民・信子、岐阜=後藤和子、静岡=細江農産物供給センター、清水紀夫、愛知=いのこしの樹産直ひろば、京都=西脇郁子、北川真理、馬原真澄、大野雅子、新婦人京都府西京支部桂徳班、新婦人城陽支部野菊班、中路佳子、佐々木成子、中島しま、中谷千津子、沼田直子、村上ひろみ、本田ミツ代、門野陽子、植田愛子、菅令子、古前ツユ子、大阪=大阪産直センター、兵庫=竹中順子、池見勝己、奈良=大谷初枝、田中博明、下村光孝、新田弘、好川美古、井上芳子、厚見泰子、中西利文、坂本栄子、県農民連中和センター役員会、田村教考、杉岡芳潔、杉岡章吉、杉岡実、森本訓有、森本吉秀、高井悦子、有木秀子、新澤明美、平井敬三、辻の内一夫、向出猛、山口年昭、和歌山=紀ノ川農協、広島=新婦人尾道支部こめ小組、愛媛=重松勝子、高知=(株)前川博之商店、福岡=立花町農民組合長・原昌彦、宮崎=小牟田ユミ子、村尻洋子、大西省三、鹿児島=南哲夫、増森国隆、川崎博子、丸山裕子、徳峰一成

(新聞「農民」2006.9.18付)
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2006年9月

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