「農民」記事データベース20060904-746-11

旬の味


 イラク戦争帰還兵の指のない幼い娘、がんにおびえるボスニアの老女…。終戦記念番組の劣化ウラン弾の特集を見てアメリカ政府に怒りを感じた人も多かったのでは▼劣化ウランは核兵器製造や原子力発電の過程で出る廃棄物で、全米だけで五十万トンの蓄積がある。そのうち湾岸戦争、コソボ紛争、イラク戦争で九十万発、三百トンが使用された▼劣化ウラン弾は極めて硬く、戦車や軍事施設の攻撃に使われる。その際に劣化ウランの粉じんが空中に舞い上がり、風に乗って広範囲を汚染する。この粉じんが肺に入り、白血病や遺伝子の突然変異によるがんなどを発病させる▼劣化ウラン弾の恐ろしさは、セシウムやストロンチウムなどの放射性物質が肺に取り付き、これが出す放射線と一生たたかわなければならないこと。ロサンゼルス・ピアース大学の山田克哉教授は「劣化ウラン弾はれっきとした第三の核兵器だ」と断定している。核兵器の恐ろしさを知る日本は国をあげて、使用禁止をアメリカ政府に要求するべきだ。

(慎)

(新聞「農民」2006.9.4付)
ライン

2006年9月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-22249

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2006, 農民運動全国連合会