農のこころ丸山美沙夫
稲の花心の耳に響きけり 沢井 山陽 俳誌『未完現実』から。早稲(わせ)や晩稲(おくて)では花の時期が少しずれるが、二百十日の台風シーズン頃、小さな白い花を咲かせる。好天に恵まれて開花し、無事に受粉が終れば豊作が期待できるだろう。この句の「心の耳に響き」と詠んでいるのは、作者が早々と稲穂の触れ合う音を感じとっているからだ。農のこころに響く。
(新聞「農民」2006.9.4付)
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[2006年9月]
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