「農民」記事データベース20060731-742-09

この人

全国食健連の新事務局員 阿部五百子(いおこ)さん


栄養士の経験を生かして

 全国食健連(国民の食糧と健康を守る全国連絡会)の事務局を、光永正直さんからこの七月にバトンタッチ。昨年の三月まで東京都内の小学校で三十六年間、栄養士として働いてきました。

 東京・八王子市の生まれ。幼いころは食糧難の時代でした。食とのかかわりは、「手に技術を持って働きたい」と、栄養士になってから。当時はまだ、女性が社会に出て働くことがめずらしい時代でした。

 栄養士として働くようになって、ヒ素ミルクなどの問題が起こり、選んで食べなければならないことにショックを覚えました。子どもたちの健康づくりにかかわる者の義務として、自分の子どもを背負って学習会に参加するなど、安全を何よりも意識してきました。

 学校給食の現場は今、センター化や民間委託化、人員削減など、たいへんな状況にあります。阿部さんは、東京都教職員組合や全日本教職員組合で役員も兼ねながら、行政に対して学校給食の充実を何度も要望してきました。そして、学校の保護者や地域のお母さんたちと接し、受け入れてもらい、信頼されたことが「なによりの勲章」だと言います。

 いま、子どもや若者の食が乱れ、食事は家庭から外食・中食依存へと進んでいます。全国食健連は六月の総会で、運動方針の柱に、「子どもや若者をはじめ、国民の食生活や健康を守る運動」を提起。栄養士として培ってきた阿部さんの知識や経験が期待されています。

 “学校給食に地産地消を”との取り組みも広がっており、「勉強する場を大事にしたい。特に若いお母さんがそういう場に参加できるように」と抱負を語っています。

(新聞「農民」2006.7.31付)
ライン

2006年7月

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