「農民」記事データベース20060731-742-01

農民連青年部「夏の学習交流会in福岡」

語り合い励まし合い視野広がった元気にもなった

注目あびた焼酎「若造」づくり

 降り続いた雨がうそのようにやみ、すきとおるような青空が広がった七月十三〜十四日、福岡県宮若市(旧若宮町)で、農民連青年部の「夏の学習交流会」が開かれました。全国から集まった約五十人の青年たちは、日ごとに矛盾を深める、農業破壊の農政「改革」とのたたかいや、ビア・カンペシーナを通じて広がる世界の連帯の輪について語り合い、地元の青年のがんばりにもおおいに励まされ、力を合わせて困難を打開する決意を固めました。


 地域で共同を広げる大切さを

 一日目は、常任委員の村尻勝信さんが「品目横断対策」と食糧主権について講演。輸入自由化を前提に大多数の農家を対象から外す「品目横断対策」を厳しく批判した村尻さんは、農民連が五月に発表した「食糧主権宣言(案)」の学習や、地域で共同を広げる取り組みの大切さを強調。二日目には、若宮農民組合青年部長の因(ちなみ)泰光さん(45)のハウスなどを見学しました。

 会員がつくった「夢つくし」使い

 今回の交流会で注目を浴びたのは、地元の「4Hクラブ」の青年たちが昨年から取り組む焼酎「若造」づくりです。味のうまさや高い品質、安全性などにこだわり、会員がつくる無農薬・無化学肥料米「夢つくし」を使い、かめ仕込みの酒造業者に生産を依頼。悪いものを追い払うという地元の商工会が考え出したキャラクター「追い出し猫」をラベルに使うなど、若者らしいアイデアも。

 「自分は農業に自信がもてなかった。人に職業を尋ねられるとつい会社員とか公務員とかうそを言いたくなる。農業を恥ずかしく思っていた」と、若宮農民組合の小河内一弘さん(29)。「『若造』づくりを通じて、多くの方から協力と応援エールをいただいた。農業に誇りをもつようになった」と語っていました。

 海外ゲストも初の参加

 また、海外のゲストも初参加。来日したインドネシア農民組合連合(FSPI)・有機農業トレーニングセンターのプトロ・サントソさん(31)は、五人の仲間とともに約七千平方メートルの畑で十種類以上の野菜の有機栽培を実践しています。

 「農地にかかわる争いが絶えず、農民の生活は苦しい。多国籍企業が推進する遺伝子組み換え種子や化学肥料などに対抗する手段として、より高い技術の有機農業を日本から学びたい」と言うサントソさんは、参加した青年たちと積極的に交流していました。

 来年も自ら進んで参加したい

 岡山県から初参加の佐藤愛美さん(20)は、十三〜十四品種のバラを生産し、岡山市に出荷しています。「日々の作業に追われ、青年と交流する機会が少なかった」と、夜の懇親会では輪になって話し合い、「来年も機会があれば参加したい」と語っていました。

 「インドネシアの農業についても知ることができ、視野が広がった。交流会は確実に若宮農民組合を元気にした」とは、交流会の受け入れで奮闘してくれた因さん。因さんも、「今まで若宮からは参加してこなかったが、来年の交流会には自ら進んで参加したい」と話してくれました。

(新聞「農民」2006.7.31付)
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2006年7月

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