「農民」記事データベース20060717-740-18

旬の味


 梅雨時の晴れ間をカッコウの鳴き声が田面を渡ってゆく。あぜ草のなかに咲く野あざみやアヤメの花に、ふと、心が和む。農民なら誰でも共有するこの心情には、昨今の出来事はどれも異様で、想像を絶する▼煎(せん)じつめていくと、それは競争社会という論理に行き着く。人間に格差があって当然という首相の思想は、格差イコール金で、人間の値打ちや能力は金をどれだけ得たかで決まる。手段は選ばない▼政治が世のため人のためなどというのはタテマエで、ホンネは自分さえよければそれでよい。そのいい例が、何ひとつ安全の確証がないのに、ブッシュ大統領への手土産に、アメリカ産牛肉の輸入再々開を決めたことだ▼また、米軍の再編には惜しげもなく大金を出す一方で、医療制度の改悪によって病院を追い出され、途方にくれている国民は、税制も改悪されたせいで昨年の十倍もの地方税を課税された▼このうっとうしさは自然現象ではない。まずは、異常を正し、正常を取り戻すために声を上げよう。

(新)

(新聞「農民」2006.7.17付)
ライン

2006年7月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-22249

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2006, 農民運動全国連合会