「農民」記事データベース20060703-738-11

旬の味


 梅雨の晴れ間、ネギ畑の株間の草は手で取るしかないから雑念が浮かぶ▼群馬境の山脈以外は幾重もの山脈に囲まれている佐久は、雨が途中で降ってしまって来ない。年間雨量は九百ミリ。日照時間は日本一▼家へ帰って地球儀を回してみると、アフリカ大陸の広さが中国、シベリア、中東を合わせた広さに同じ。海から遠い中東から中国まで 沙漠[・・] (当用漢字は砂漠だが辞典によっては [] 漠の字はない)がなんと多く広いことか。オーストラリアも農業から見れば無能の大陸に見える▼五大陸の雨量は世界の農業・食料の未来が容易でないことを予告しているのでは。それにひかえ日本はなんと 天然資源[・・・・] に恵まれていることか▼品目横断やWTOで農業をあきらめれば、二、三十年先を読む大企業に農地が取られるのは必至▼「外貨を稼いで借金を返せ」と輸出用作物を作らされ、自分の食い物も作れぬアジアの農民。ビア・カンペシーナの仲間は多国籍企業の横暴を告発していた▼夏至の陽の下で指は草を、頭は世界を駆け巡る。

(節)

(新聞「農民」2006.7.3付)
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2006年7月

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