本の紹介

島村菜津・著「スローフードな日本」

日本の食卓の危機的状況とその原因を探る

　「スローフード」。言葉そのものは、新聞やテレビでもさかんに使われ、レトルト食品も、ハンバーガーチェーン店までもがスローをうたい、今やマーケティング用語になっているのが現状です。

　前著『スローフードな人生！―イタリアの食卓から始まる』は、イタリアのスローフード運動を初めて紹介。スローフード運動の先駆けとなりました。今度は五年をかけて日本各地を取材し、日本のスローフードについてまとめました。

　日本の食卓はどんな危機的状況におかれているか、その原因は何か―を探ります。一方で日本が食について、いかに多様な国か、土と付き合うのはなんと豊かなことか、身近な食の世界はどれほど深いものか―を考えます。

　著者の「おいしい冒険」の旅に一緒に出かけ、「スローフード」の意味をもう一度、考えてみませんか？

　（新潮社・定価1500円＋税）