ビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議国際フォーラムでの各国代表の発言(要旨)〈4〉
自由化攻撃で米の純輸入国にフィリピン農民連合(KMP) ウィルフレード・マーベラさんフィリピンの歴代政府はそれぞれ農地改革計画を発表してきましたが、農民が土地を所有できないという基本的な問題を解決した計画は一つもありません。土地は地主やブルジョアジーの手に集中し、封建的・半封建的搾取が、貧しく腹を空かした農民を苦めています。二百六十万のフィリピン人は一日一食しか食べることができません。フィリピンのGDPに占める農業の割合は、一九九〇年の二二%から、WTO加盟後、〇〇年には一八・五%に、〇四年は一七・四%まで落ち込みました。WTO協定による大規模な貿易自由化により、フィリピンは基盤産業を持たず、輸入に頼り、輸出を重視する国になりました。 WTOによって、フィリピン人の主食である米やトウモロコシなどの生産が、多国籍企業によってバナナやパイナップル、アスパラガス、カリフラワーなど輸出用作物の生産へと転換させられています。アジアの発展途上国の食糧生産国は、自由化政策の総攻撃によって純食糧輸入国へと変化しています。悲しむべきことは、多くの国が現在、米の純輸入国になっていることです。フィリピンは世界で四番目の米輸入国です。 貿易関連知的所有権協定(TRIPs)とWTOは、遺伝子資源を保全し、交換し、開発し、伝統的な知識を維持するための農民や先住民の権利を踏みにじっています。植物新品種保護に関する国際条約(UPOV)は、種子を特許化し、農民に種子を購入するよう押し付けています。 巨大企業や帝国主義と対抗することは、農民にとって非常に大きな困難をともないます。例えるなら、フィリピンのバスケットチームが、アメリカのNBAのチームと試合するようなものです。 しかし私たちは団結して、これとたたかわなければなりません。農民や労働者、消費者、その他の階層の人々が連帯すれば決して負けません。
(新聞「農民」2006.7.3付)
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[2006年7月]
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