農民連関東ブロックが農政局交渉実態にあわぬ品目横断対策中止農業生産守る食糧主権確立を要請
農民連関東ブロック協議会は六月十五日、関東農政局に対して要請行動を行い、十人が集まりました。各県の代表はそれぞれの現場での取り組みから、「品目横断対策」が農家の実態に則していないことを指摘し、対策の中止、食料自給率の向上、農産物の価格保障の確立、国内の農業生産の振興などを要請しました。(写真〈写真はありません〉) 参加者からは、「生産費が補えないから農家が離農していく。根本的に政策を改め、価格保障を確立すべきだ」(長野県農民連の宮沢国夫事務局長)、「一万五千円の米価では、農家の労賃は日給二千九百円。労働者の地域最低賃金にも満たない。これでどうやって農業を続けろというのか」(千葉県農民連の小倉毅事務局長)、「品目横断対策のパンフレットが配布されただけで、説明会も行われず、多くの農家が困惑している」(茨城・県南農民連の小林恭子事務局長)など、厳しい発言が相次ぎました。 また、関東農政局の次長は、品目横断対策について、WTO交渉が山場を迎え、厳しくなる国際ルールから農業者を守るための政策転換でもあるなどと説明。しかし、昨年と今年のアジアの農民たちとの交流を通じて、食糧主権が世界の主流になりつつあると実感している参加者たちは、WTOを絶対視せず、食糧主権に基づいて国内の農業を守るよう要請しました。 「学校給食、地産地消の運動では、十年かかってようやく関東農政局と意見がかみ合うようになってきた」と埼玉県農民連の松本慎一事務局長。「いつかは食糧主権の立場で意見が一致すると信じている」と語りました。
共同の力で自給率向上・食の安全食健連総会 多彩な取り組み交流全国食健連は、前日の緊急シンポジウムに続き十八日には都内で第十七回総会を開催。二十一都道府県から約六十人が参加し、各地の“食と農を真ん中に置いた”多彩なとりくみを交流するとともに、国民の食と健康、地域農業を守る「国民共同のたたかい」を発展させることを確認しました。坂口正明事務局長は「悪政が一気に進んでいるように見えるが、その中でいくつも破たんが露呈し、“待った”をかける流れが強まっている」と指摘。国際活動での食健連への賞賛の声やアメリカ産牛肉輸入反対運動の広がりも紹介し、「食健連の真骨頂である“国民共同のたたかい”を広げよう」と訴えました。 そのうえで坂口氏は、(1)食の安全・安心の確保とそれを支える農業の発展(2)食料自給率の向上、地産地消の拡大(3)国民の食生活や健康を守る運動(4)「国民請願署名」と秋のグリーンウエーブ行動など運動方針を提起。都道府県・地域食健連の強化と草の根からの運動の展開を呼びかけました。 討論では各地の代表が「菜の花プロジェクトを立ち上げ、一・二ヘクタールに栽培が広がった」(愛知)、「地域の学校給食を視察し、話し合う活動をしている」(千葉・東総)、「学校給食パンに府内産小麦を使うよう求めた署名が予想を超えて広がった」(京都)など、草の根のとりくみを紹介。 さらに「食育という言葉が花盛りだが、国が責任を放棄する一方で外食企業が参入しており、私たちの運動が必要」(全教)、「コンビニの残飯を食べさせた豚の死産も報告されていて、食生活を見直す運動は時宜を得ている」(兵庫)といった発言も相次ぎました。 また茨城農民連の大島一明会長は、政府の「品目横断対策」について、「減反田での小麦、大豆の作付けががた減りする可能性がある」と述べて厳しく批判。笹渡義夫・農民連事務局長は、「生産を守るため、消費者、流通業者と結んだ“届ける運動”がますます重要になる」と強調しました。
(新聞「農民」2006.7.3付)
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[2006年7月]
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