ビア・カンペシーナ東南・東アジア地域会議国際フォーラムでの各国代表の発言(要旨)〈3〉
土、水、種子、食料まで奪われ東ティモール・持続可能な農業推進ネットワーク(HASATIL) エゴ・レモスさん東ティモールは約五百年間、ポルトガルとインドネシアの植民地でした。東ティモールの伝統的な主食は、驚かれるかもしれませんが、米ではありません。一九六〇年代の「緑の革命」によって米がもたらされ、それから二十四年間のインドネシアの統治下で東ティモールの主食になりました。一九九七年に起こったアジアの経済危機は、「緑の革命」によってすでに農薬に頼る農業に転換されていた東ティモールの農業に大打撃を与えました。その後、九九年にインドネシアからの独立をかちとり、私たちはようやく、自国の環境や伝統、種子、土、水などをどうやって守っていくのか、自ら決めることができるようになったのです。 しかし、独立後にやってきた国連は、東ティモールに新自由主義を持ち込み、インドネシアの統治下よりもひどい状況を作り出しました。このようななかで、「持続可能な農業推進ネットワーク」(HASATIL)は、土地、水、種子、食料を守るために活動しています。 独立後、東ティモール政府は、ポルトガルやインドネシアから取り戻した土地や建物などを国有化する法律を制定しました。これら資産を「政府が国のために適正に使うことができる」と規定し、人民にではなく、多国籍企業に与えたのです。 また、国連とともにやってきた国際的な研究機関が、政府の立ち上がる前に各地の種子を研究し、外来種子の導入を働きかけました。新政府は、「国を発展させるための新しい方法」という本を発行したこれらの研究機関をほめたたえますが、その本には、東ティモール固有の種子の欠点ばかりがつづられていたのです。 現在は、土や水、種子、食料だけでなく、天然ガスや石油などの天然資源にも外国の介入が増加しています。現在の東ティモールの緊迫した情勢はこうした介入が原因で起きているのです。 私たちの活動は、限りある天然資源に依拠するのではなく、農業、土地、地方の食、種子、水を守ることを中心にしています。これらは、東ティモールを発展させ、私たちのいのちを守る最も基本的な資源だからです。 最後に、私はWTO香港行動に参加できませんでしたが、WTOに反対するために私が書いた曲を歌って発言を終えます。
ラ・ビア・カンペシーナ(農民の道) ありがとうございました。
米国産牛肉輸入、意見交換会ほとんどが“再開反対”の発言農民連の石黒さんも表明アメリカ産牛肉輸入問題に関する意見交換会が十四日、都内で開かれ、四百人が参加。対日輸出施設の事前調査とアメリカが行う抜き打ち調査への同行を条件に輸入を再開するという政府説明に対し、反対の声が相次ぎました。農民連の石黒昌孝事務局次長は、(1)違反を繰り返すアメリカ食肉処理の実態が明らかになっていること(2)輸入条件の二十カ月齢以下という月齢も目視では判断できないこと(3)アメリカのBSE検査率は一%以下と低く、さらに引き下げを企図していること(4)肉骨粉を動物飼料から完全に隔離されていないこと―などをあげ、「輸入再開することは絶対に許されない」ときっぱり表明しました。 政府は、全国十カ所で開かれた意見交換会を口実に、輸入再開手続きを始める考え。しかし、NHKの世論調査でも七割が「アメリカ産牛肉は不安」「拙速な再開はすべきでない」と答えており、圧倒的な国民の声に誠実に耳を傾け、輸入禁止を継続すべきです。
(新聞「農民」2006.6.26付)
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[2006年6月]
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