旬の味
夏の訪れとともに大阪泉州の“旬の味”水ナスの浅漬けが静かなブームを呼んでいる。お盆までが最盛期だ▼水ナスは水分が多く、甘みがあり、果皮・果肉ともに柔らかい。軽く塩もみしてヌカ床につけると、翌朝には鮮やかな紫色に仕上がり、その風味は抜群、まさに絶品だ。反面、柔らかな果皮は傷がつきやすく、消費は地元に限られてきた▼八〇年代に漬物製造業者が数日間の賞味期限をもつ水ナス漬物を開発。夏場の贈答品として全国流通できる商品の販売に成功し、輸送資材の改良と宅配便の発達によって、水ナス浅漬けは一気に全国ブランドになった▼ナスは各地でさまざまな品種に分化してきたが、水が豊かで水はけのよい砂質土壌の泉州地域の風土に適応し、定着したのが水ナスだと、生産者は異口同音に言う。関西空港のある泉佐野市をはじめ、南泉州の五市二町の作付面積は三十八ヘクタールで、販売数量は二千八百トン。今後、さらに増えそうだ。生産者と消費者を“旬の味”で結ぶ地産地消運動も、もう一押しだ。 (西)
(新聞「農民」2006.6.19付)
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[2006年6月]
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