食品分析センターが
病体生理研究所内に7月移転
設備拡充、スペースより広く
関連/汚染さらに広がる
分析業務など連携も
食の安全・安心を守って十周年を迎えた農民連食品分析センターが七月、東京都板橋区の東京保健会・病体生理研究所(伊藤一二理事長)内に移転します。
病体生理研究所は、総合臨床検査、環境・公害研究、保健衛生事業を行い、病院、診療所、保健所、老健施設などから検査業務を受託しています。
農民連の佐々木健三会長、斎藤敏之常任委員、分析センターの石黒昌孝所長は六月二日、同研究所を訪れ、折笠勉専務理事らと会い、移転についての契約書に調印。食品分析業務などで連携し、協力し合うことを確認しました。六月下旬から、研究所の内装工事と引っ越し作業に入ります。
五月にポジティブリスト制がスタートしました。このため約八百種類の農薬、動物医薬品、飼料添加物の分析に対応できるガスクロマト質量スペクトルの導入が求められています。この間、研究員を増員し、より広いスペースの確保も必要となっていました。
八月二十五日には、板橋区立グリーンホールで、十周年記念レセプションが行われます。
分析センターは、新機器導入と、施設の移転・拡充のための二千万円募金を呼びかけています。二月に募金を呼びかけて以降、多くの方々から、五百万円を超える募金が寄せられました。引き続き、ご協力をお願いします。
◆六月二十三日から一カ月間、分析検査の受け付けを中止します。
募金の振込先 郵便振替口座 00160―6―773542 「農民運動全国連合会分析センター」まで
汚染さらに広がる
食品分析センター
農民連食品分析センターは六月五日、輸入されて、こぼれ落ちた遺伝子組み換え(GM)ナタネの自生実態調査の速報を発表しました。今回は、独自に調査を実施するとともに、全国の農民連会員や消費者、市民らに調査への参加を呼びかけてきました。
分析センターは、千葉、茨城の鹿嶋・取手、横浜、静岡の清水、名古屋、三重の四日市、神戸の八カ所で調査を実施。計百二十一検体を集め、五カ所・三十五検体からGMが検出されました。
今回、五カ所のうち二カ所は初検出。港から三十キロほど離れた地点でも検出されるなど、GM汚染が広がっている実態が明らかになりました。
また呼びかけに応じて調査に応募した件数は二十八件・百四キット分。検査結果の回答があったのは十件・三十七キット。うちGMが検出されたのは二地点五検体でした。四日市と横浜でGMナタネが見つかりました。
最終結果とGMの種類の内訳、各地点の特徴などの詳細は、続報します。
(新聞「農民」2006.6.19付)
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