品目横断対策 ポジティブリスト農民の生の声聞き、きめ細かい対策を農民連近畿ブロックが農政局交渉
農民連近畿ブロックは五月二十九日、品目横断対策やポジティブリスト問題で、生産現場の声と実態を反映し、食料自給率向上に資する対策に改めるよう、近畿農政局に要請しました。この交渉には、二府四県から二十五人が参加しました。 品目横断対策では、地域の実態と合わず、ほとんど進んでいないことを訴え、中止と意欲ある農家を対象にした支援措置を講ずるよう要求。参加者から、「二十三の集落営農があるが、申請しているのはわずか五つ。米価が下がり続け責任が取れないから、米は計画に入れられない」(滋賀・旧長浜市)、「八千戸の農家で三十集落あるが政策に対応できるのはわずか三つ」(兵庫・丹後市)、「担い手の所得目標は四百万円で水田三十二ヘクタールが必要とあったが、実現は無理。この政策に乗れない農家はどうしたらいいのか」(京都・旧美山町)などの意見が相次ぎ、農政局側が答えに窮する場面も。実態を無視して推進する農政局の姿勢が鮮明になりました。 またポジティブリスト制について、「学習会に百四十人参加、その半数が聞くのは初めてという。行政の取り組みが決定的に遅れている」(奈良)、「学校給食や保育園給食に取り組んでいるが、『残留農薬の証明書がほしい』と言われたら、その負担は?」などと追及。農政局側は、「この制度は厚労省が考えたもの」などと責任逃れの答弁でした。参加者は、農家に検査費用など過重な負担がかからないようにするとともに、農家への情報提供などきめ細かな対応を求めました。 (京都府農民連 上原実)
みのう農民組合、JAにじ「品目横断対策」で懇談福 岡福岡・みのう農民組合は五月二十五日、品目横断対策の問題で地元のにじ農協(JAにじ)と懇談。JA側は、出利葉史郎組合長以下担当部課長ら六人が出席。農民組合側は、福岡県連の西島由紀夫書記長、みのう農民組合の桑原照英組合長ら九人が出席しました。懇談では、「品目横断対策は、やればやるほど矛盾が広がっている。無理強いするつもりか」との問いに対し、JAの担当者が、「組合員に対して説明会やアンケートをとっているが、半数が『中身が分からない』『今までどおり』と回答している。この政策は、WTOや自給率の問題を解決するものではない」と回答。出利葉組合長は、「農地を荒らさないために知恵を出し合っていかなければならない」と強調しました。 組合員からは、「農協は、農家の経営と暮らしを守ろうという本来の趣旨からはずれてきている。これをはずさないという姿勢がほしい」という声もありました。 (みのう農民組合 金子徳子)
(新聞「農民」2006.6.19付)
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[2006年6月]
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