5・27国民大行動
許さないぞ憲法改悪!
願い込めた“9条苗”を参加者に
海外代表と腕組みパレード
食糧主権守れ・WTOノー
農民連食健連
終盤国会に向けて、悪法を許さないたたかいを強めようと五月二十七日、東京・代々木公園で「許すな憲法改悪! 守ろういのちとくらし」を掲げた「みんな集まれ5・27国民大行動」(同実行委員会)が開かれ、時折、横なぐりの雨が降るなか、全国から五万人が集いました。農民連も全国から集結し、ビア・カンペシーナ地域会議に出席した海外代表も参加しました。
会場では、農民連と食健連が合同で、食糧主権テントを開設。田植えの時期に「憲法九条を守ろう」の願いを込めた九条苗を集会参加者に配布。テント前には、苗で九条をかたどった「ミニ九条田んぼ」が青々と浮き立ち、集会参加者の目を引きました。
海外代表との交流もテント内で行われ、九条苗リレーなど、全国各地の憲法を守る取り組みがパネルで紹介されました。
会場内には、物産テントも設置され、庄内産直センター(山形)の笹巻、神奈川農畜産物供給センターのフランクフルト、東海ネットのみかん類、関東ブロックのアジ干物焼(千葉)、秩父こんにゃく(埼玉)、大豆菓子(茨城)などが大盛況でした。
集会では壇上から、ビア・カンペシーナ代表のヘンリー・サラギさんがあいさつ。海外代表団も全員舞台に登壇しました。また農民連女性部の人たちが「WTOから食糧主権へ」の横断幕を高々と掲げるなか、下郷農協(大分)の横山金也組合長も訴えました。
集会後、デモ行進を行い、全国から集った農民連、食健連関係の参加者をはじめ、ビア・カンペシーナ海外代表も一緒にパレード。香港以来となる「食糧主権を守れ」「ダウンダウンWTO」の声を響かせました。
宮崎中央農民組合の渡辺道大さん(25)は「WTOは農民のためでなく、大企業・多国籍企業のためにあることがわかりました。アジアの仲間とデモ行進したことに確信をもって、若い人たちをもっと結集したい」と語りました。
農民連岩手県連の岡田現三さん(30)は「フォーラムに参加して、同じアジアの国々でも、土地の所有形態や運動のスタイルがずい分違うことがわかりました。サラギさんや横山さんの話を聞いて、農業と食料を守る視点は共通していました。香港行動に参加した者として、アジアの人たちと声をあげられたのはよかった。運動を継続して、ますますがんばらなければ」と話していました。
食糧主権かかげ連帯強めよう
ビア・カンペシーナ代表
サラギさんの連帯あいさつ
日本のみなさん、こんにちは。国際的農民組織、ビア・カンペシーナの代表として、平和と自由を愛する日本のみなさんに連帯のごあいさつを申し上げます。私は、きょうここに、何百万もの小規模農民、土地をもたず、飢えに苦しむ人々の代表として、また植民地や紛争の下にある人々の代表として、みなさんの前に立っています。
世界中の農民は、不正義に直面しています。食料を作る土地や水は、多国籍企業に奪われています。何世代も受け継がれてきた、地域の資源や私たちの実りは、多国籍企業に奪われています。
多国籍企業は、グローバル化と自由主義の名で、私たちの富を奪っています。それはWTO、世界銀行やIMFと呼ばれる強大な権力によって行われているのです。
今日、八億以上の人が飢餓にあえいでいます。医療や教育を受けることができず、住宅を奪われている何百万もの人々がいます。私たちは、日本国憲法九条を守る日本のみなさんを全面的に支持します。私たちはみなさんとともに、戦争に反対します。
日本の食料の六〇%は外国産で、それは世界で取引されている食料の総量の一〇%にあたる規模です。人民の食糧主権を高く掲げ、社会正義を実現し、平和を求める私たちの連帯を強化しようではありませんか。
食糧主権を確立しよう! 戦争に使うな! ダウンダウンWTO! 世界銀行、IMFは横暴をやめろ! 私たちのたたかいを、そして希望をグローバル化しよう!
農協解体の攻撃はねかえし食料・農業守る共同大きく
大分・下郷農協組合長
横山金也さんのあいさつ
私は大分県の山村で、米作りをしながら、地域農業と農家のくらしを守るためにがんばっている組合員五百人の小さな農協の組合長です。「消費者と提携し地域農業を守る」ことを理念に、この半世紀、産直農協としてがんばってきました。
昨年来、小さな農協の存在を許さない小泉「構造改革」による農協解体攻撃にたいし、組合員と役職員が団結して、この攻撃を跳ね返し、合併せずに、小さくても元気な産直農協として自立していく基礎をつくることができました。
いま私たちの村は、田植えの真っ盛りで活気に満ちています。この活気は、大自然の恵みに支えられた農民の生産の喜びを原動力とするものです。自然が相手の農業には、温かい政治の光が必要です。
ところが財界主導の小泉「構造改革」は、農家組合員のとりでである農業協同組合と、大多数の農民を切り捨てる政策を押しつけ、農村社会に深刻な矛盾を作り出しています。
この道は農業の持つ多面的機能を喪失させ、国土の荒廃をもたらし、安全な食料の安定供給という国政の最大の課題と責任を放棄するものです。
みなさん、食は命です。世界に余っている食べ物はありません。世界のどこの国にも国土や環境に即して農業生産を高め、自給率を向上させる権利があります。
アメリカ主導のグローバル化の下で、世界の農業・農村を犠牲にする貿易拡大一辺倒のWTO農業協定を、食糧主権を尊重する貿易ルールに改めさせましょう。
食料・農業・農村を守る地域からの共同を広げ、全国の仲間と、そして世界の仲間とも連帯し、食料・農業・農村を守る運動の先頭に立つ決意を表明し、発言を終わります。
(新聞「農民」2006.6.12付)
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