改悪許さない決意次つぎ
農水分野で 賛同者過半数必ず
農林水産九条の会 全国のつどい
沈黙は改憲勢力の思うツボ
結成1周年
結成から一周年を迎えた農林水産九条の会は五月二十八日、東京・新宿区の日本青年館で「全国のつどい」を開きました(写真〈写真はありません〉)。改憲手続き法案が自民・公明の与党、そして民主党からも国会に提出されるなど緊迫した情勢のもと、全国から百三十人が参加して各地の多彩な活動を交流。農林水産分野で“九条守れ”の賛同署名を過半数集める取り組みを急速に発展させようと誓い合いました。
農林水産九条の会の呼びかけ人のひとり、暉峻(てるおか)衆三さん(82)=元東京教育大教授=が記念講演。「戦争の体験を話すことはしんどいが、沈黙は改憲勢力の思うつぼ」と、知人から渡された戦争体験をつづった冊子を紹介しながら、原爆投下直後の広島に入った体験などをせつせつと語り、感動を呼びました。また暉峻さんは、食料の海外依存と結びついた農産物輸入の輸送路を確保するために軍事力を強化するといった動きに警鐘を鳴らし、経営と暮らしを守るためにも改憲を許してはならないと訴えました。
会場からは十人がリレートーク。すでに県段階で農林水産九条の会を結成している新潟と大阪から、多方面への呼びかけなど結成までの準備が報告されるとともに、改憲を許さない決意が生き生きと語られました。また「不戦兵士の会」の活動に参加している農水省OBの谷口末廣さん(85)は、戦争体験を紹介しながら、「いかに残忍でまた加害でもあったか。この思いを若者になんとしても伝え、九条を変えてはいけないことをわかってもらいたい」と発言。大分・下郷農協の三上英範参事は、農協を取り巻く厳しい状況のなかで、農協総会で“九条守れ”の決議をあげたことを報告し、「ぜひ、県レベルで農林水産九条の会を結成したい」と決意を述べました。
農民連北陸ブロック
9条苗リレーキャラバン
新潟をスタート宣伝カー走らす
農民連北陸ブロックの「九条苗リレーキャラバン」が五月二十二日、新潟からスタートしました。
新潟県連は岩船地区から富山県境まで宣伝カーを走らせ、各地で「憲法九条と米を守ろう」と訴え。手を振って応援する人の姿も見られました。
十カ所で街頭宣伝(写真上〈写真はありません〉)。二日間で十五人が参加し、県境で富山県連に苗を渡しました。
スーパーの前などで苗を配り、北蒲みなみ農協では支店長と懇談。町田拡会長は、「戦時中、多くの農民が戦争へ行かされて農村は疲弊し、食糧危機となった。憲法九条を守る思いで苗を育ててください」と要請しました。
(新潟県農民連 鈴木亮)
町役場やJAに賛同を呼びかけ
富 山
富山県連は二十四、二十五の両日、十五カ所で街頭から訴え(写真下〈写真はありません〉)、訪れた町役場やJAに九条苗リレーキャラバンの趣旨を申し入れ、賛同を呼びかけました。
(富山県農民連 多田裕計)
4地域で田植え
秋にはくっきり「9」の字
9条守ろう田んぼ
福 島
福島県食健連はこの間、四地域で「九条田んぼ」に取り組んでいます。
五月二十日には二本松市にある根本敬さんの田んぼで行われ(写真〈写真はありません〉)、参加者は、苗でまくら(田のはじの方)に思い思いの「九」の字を書きました。田んぼ靴を履き、足がうまく進まず悪戦苦闘する参加者も見受けられましたが、およそ一時間かけて九条田んぼが完成。「生長して、『九』の形に見えるのが楽しみ!」「九条を守る取り組みを強めよう」など会話が弾みました。
二十五日には、桑折町にある大槻重吉さんの田んぼにコシヒカリを植え、その上から印をつけて紫稲を「九」の字に植えていきました。「九条田んぼ一年生にしては上出来だ!」の声も。その後、参加者全員で十台の軽トラックに“九条守れ”などのノボリ旗をつけ、町内をパレード。道行く人々の目を引いていました。
(福島県農民連 岩渕望)
(新聞「農民」2006.6.12付)
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