旬の味
いま、会津は田植えの真っ盛り。桃の花が散り、白い梨とリンゴと桜桃の花が緑風に舞って田面に降る。多忙だが、最も生気に満ちた時節である▼先日、昨年合併して県内で一番大きな町になった私の町で「九条の会」が結成された。その機運を加速したのは、三月の町議会に「国民保護法」の町条例が提案され、賛成多数で可決されたことである▼「備えあれば憂いなし」などと、ある日、突然、攻撃されたときに、国家と国民を守るためにこれは必要な法なのだという。聞いて驚いた。戦前の「国家総動員法」ではないか▼今から六十九年前に中国の慮溝橋で日本軍の謀略によって日中戦争が始まりその翌年にこの法律は公布された。そして農地法も商法も刑法も、すべてがこの法律を軸に戦時体制に変えられていった▼まさか、と見過ごすなら、フランク・バヴロフの「茶色の朝」のように、とりかえしのつかない愚を繰り返すことになる。国益の大義などにだまされるな。今こそ村々に平和の象徴「九条の会」の旗を立てよう。 (新)
(新聞「農民」2006.5.29付)
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[2006年5月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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