ポジティブリフト制
飛散対策への補助拡充など
農家の不安解消せよ
制度導入で農水・厚労省に 農民連が緊急要請
輸入しやすい暫定基準も大問題
残留農薬のポジティブリスト制が、五月二十九日から施行されます。農民連は十五日、農水・厚生労働の両省に対し「ポジティブリスト制導入にあたっての緊急要請」を行いました。(写真下〈写真はありません〉)
同制度は、食の安全を守るうえでは意義がありますが、暫定基準を決めたのが昨年十一月だったことや、飛散(ドリフト)対策の説明も不十分だったことなどから、農家が安心して対応できる状況にはなっていません。さらに、自給率が低くアメリカなどからの輸入に頼っている小麦や大豆の基準が輸入しやすいように緩めていることも大きな問題です。
要請では、(1)小麦や大豆など輸入しやすいように緩和した基準を見直すこと(2)地域の生産状況にあわせて、共通して使用できる農薬情報を早急に作成すること。できなければ、制度のスタートをいったん凍結すること(3)飛散防止対策に要する資材に補助制度を拡充すること、などを要求。
参加者は、「行政の説明は、飛散対策だけで不安をあおるだけ。こんな状況でスタートできるか」、「農協に出荷していない農家には、まったく知らされていない」など、現場の声を紹介して、きめ細かな対応を求めました。
農水・厚労の担当者は、「輸入障壁とならないよう国際基準を採用した」「暫定的に決めた基準についてはあらためて食品安全委員会にかけ、見直すこともある」などと答えました。
(新聞「農民」2006.5.29付)
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