「農民」記事データベース20060529-733-03

BSE問題

アメリカの対策は口先だけ

農水・厚労両省に食健連・農民連“輸入再開するな”


 BSE危険部位の背骨が見つかり、輸入を再停止しているアメリカ産牛肉の問題で、全国食健連と農民連は五月十五日、農水省、厚労省と交渉を行い、(1)全頭検査(2)全月齢牛からの危険部位除去(3)肉骨粉の完全隔離(4)トレーサビリティーの実施など、日本と同等の安全対策がとられるまで輸入再開をしないよう強く求めました。(写真上〈写真はありません〉

 香港や台湾でも日本と同様に、輸入されたアメリカ産牛肉から次々と骨が見つかり、同国の対策が口先だけのものであることがいよいよ鮮明になっています。しかしマスコミは、輸入再開の時期について“六月の日米首脳会談を前に合意”といった憶測報道を流し、世論誘導を計っており、“政治決着”を許さない運動がいっそう重要です。

 交渉で両省の担当者は「首脳会談と再開のプロセスはまったく別問題」と報道を否定する一方で「アメリカが同等の安全性を担保できると判断したものは輸入できる」「日米で合意した条件を守らせることが先決で、条件の見直しは考えていない」などと回答。

 これに対して農民連の笹渡義夫事務局長は「香港、台湾の事例を見ても、アメリカが条件を守れないことは火を見るよりも明らか。全頭検査をはじめとした、しっかりした対策を求めていくべきだ」と指摘しました。

 新婦人の安達絹江さんは「アメリカ産牛肉の輸入がストップしても消費者は全然困らなかった。むしろ安心して買い物ができた。食の安全を守る立場の両省が、同じ過ちを繰り返してはならない」と強く要望。

 茨城から参加した松本勉さんは「担当者の答弁には、開いた口がふさがらない。どこに顔を向けているのかと思った」と憤っていました。

(新聞「農民」2006.5.29付)
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2006年5月

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