農政「改革」法案の衆院採決に
抗議し、参院での廃案をめざす
二〇〇六年五月十八日 農民運動全国連合会会長・佐々木健三
「品目横断的経営安定対策」を盛り込んだ農政「改革」関連三法案が十八日、衆議院本会議で与党などの賛成多数で可決され、参院に送られた。法案に共産、民主、社民の各党が反対した。
〇七年の開始をめざしている「品目横断的経営安定対策」は、法案の成立を前提に、対象者の認定作業が実情を無視して推し進められ、各地で混乱が広がっている。
「品目横断的対策」は、全農家を対象にした小麦、大豆などの品目ごとの価格保障を全廃し、要件を満たす大規模経営や集落営農組織だけを対象に、「経営安定対策」を実施するというものである。
しかし、多数の農家が対象からはずされ、生産の継続が困難になる。また、小麦、大豆の転作による生産調整機能が維持できず、更なる米価暴落の引き金になりかねない。過疎化を加速させるなど、農山村の困難を助長するものでもある。
「経営安定対策」の対象となっても、関税を引き下げて、安い輸入原価と競争することが前提であり、経営を維持することはできない。食料自給率を向上させるために農業の担い手を増やすことが緊急の課題であり、多数の農家を切り捨てることは許されない。
農民連は、参院での法案の廃案と併せ、家族経営を基本に、多様な形態の経営を尊重した価格保障と直接支払いによる経営安定対策の実現を要求し、全力でたたかう。
(新聞「農民」2006.5.29付)
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