教育基本法改悪案 国民投票法案 農政「改革」法案
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関連/高齢者に負担増の医療改悪は、農村に大きな影響 /農政「改革」法案を廃案に |
国会は会期末の6月18日まで1カ月を切り、国民の平和といのち、暮らしにかかわる重要法案が目白押しです。
自民・公明の与党は、“賞味期限切れ”間近の小泉内閣のもと、衆議院での絶対多数を背景に、教育基本法改悪案や医療改悪法案、国民投票法案、共謀罪新設法案、そして農政「改革」法案など、次々に成立させようとしています。
国会周辺では連日、市民や労働者、農民が座り込み、「数の力による強行採決は許せない!」「参議院で廃案にするぞ!」と抗議の声を上げ、すべての国会議員に法案の徹底審議と廃案を求める要請を行っています(写真〈写真はありません〉)。
与党は五月十八日、医療改悪法案と農政「改革」法案を衆議院で強行採決し、たたかいの舞台は参議院に移りました。
医療改悪法案は、七十歳以上の高齢者の自己負担を二割から三割に引き上げ、七十五歳以上のすべての高齢者から保険料を徴収して受診抑制をはかり、「混合診療」で保険のきかない医療を拡大するなど、高齢者や患者に痛みを押し付けるもの。重大な内容が明らかになるにつれ、国民的な怒りの声が広がりつつあります。
農政「改革」法案は、すべての農家を対象にした価格保障制度を廃止して、大規模農家や法人組織に助成を限定するもの。日本農業・農村のいっそうの荒廃と食料自給率の低下を招きます。政府は衆院の審議で、対象となる農家数や助成水準など、まったく明らかにしないまま採決を強行しました。
教育基本法改悪案は十六日から衆院で審議が始まりました。与党は、連日の審議が可能な特別委員会を設置。会期末までの限られた期間内に会期延長も視野に、強引に成立させようとねらっています。同法案は、現在の教育基本法がめざす、教育による「人格の完成」を、「愛国心」など「国策に従う人間」づくりに大転換させるもの。侵略戦争の反省から制定された憲法と一体の教育基本法を改悪することは、断じて許されません。
与党は十六日、九条改憲の条件づくりとなる国民投票法案を、国会に提出することを決定。民主党も与党案を修正した対案を提出するとしています。自民党幹部が、「審議を通じて合意できる接点を見出すことは可能」と述べているように、与党案と民主党案が修正で合意し、短期間に成立させられることもあり、予断を許しません。
また、犯罪の実行がなくても相談して合意したとみなすだけで処罰できる「共謀罪」を新設する組織犯罪処罰法案は、衆院法務委員会で審議中ですが、与党は強行採決をねらっています。
“悪法を許すな!”の声を全国から集め、廃案に追い込みましょう。
今回の医療制度改革の一つに、療養ベットの削減が盛り込まれています。これが通れば、現在でも三カ月入院すると別の病院に転院しなければなりませんが、転院する病院がなくなってしまうことになり、大変なことになります。
この制度改悪によって特に大きな影響を受けるのは、医療機関が少なく、また、高齢化率の高い農村地帯です。
日本共産党は、同法案に対し「大規模化や農家選別の押し付けをやめ、意欲ある農家すべてを大事にする農政を」という見解を発表し、「品目横断的対策」を中心とする無謀な農政「改革」を中止し、関連法案の廃案を主張しています。
要請に応じた民主党の小平忠正議員も、「わかりました。民主党は政府案に反対で対案を提出している」と、要請書を受け取りました。
[2006年5月]
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