「農民」記事データベース20060515-731-07

米国産牛肉輸入再開許さない

おいしい国産牛肉・豚肉
もっと食べよう

畜産フェア(農水省地下)

関連/全頭検査が最も科学的に合理的


農民連・畜産協ふるさとネット

 「おいしい! やっぱり本物のチーズは違いますね」―農民連・畜全協(畜産農民全国協議会)とふるさとネットワークは四月二十六、二十七の両日、東京・霞ケ関にある農水省内で「国産牛肉・豚肉をもっと食べよう、畜産大フェスティバル」を開きました。これは、農水省職員の労働組合・全農林東京地本の農対部会議が取り組む「生産と消費を結ぶ連絡会」の活動に参加したもの。安全・安心の国産畜産物を食べて、アメリカ産牛肉の輸入再開を許さないたたかいに理解を深めてもらおうと行われました。

 農水省地下の農林生協コーナーには、北海道・厚岸のナチュラルチ―ズや、群馬・下仁田ミート、大分・下郷農協、神奈川農畜産物供給センターからは、短角牛の牛肉や遺伝子組み換え飼料をいっさい使わず育てた豚肉、ハム・ソーセージ。農民連の佐々木健三会長も自ら生産する低温殺菌牛乳を出品しました。さらに農水省内にある職員食堂では、「限定メニュー」として群馬・下仁田産のトンカツ定食や豚丼、あおもり短角牛のあぶり焼定食と塩牛丼を用意。即完売の大好評でした。

 昼休みには生協コーナーに人だかりができ、チーズや牛乳、牛肉、豚肉などを試食(写真〈写真はありません〉)。群馬・下仁田から参加した斉藤義光さんは、「農水省の職員は口が肥えていると聞いてきた。豚ロースのしゃぶしゃぶなど試食してもらったが、好評だったので安心した」と喜んでいました。佐々木会長も、「農水省にはアメリカ産牛肉の輸入問題で何度も要請に来ているが、農民は安全で安心できる畜産物を作るためにがんばっているんだということをぜひ知ってほしい」と、四年ぶりの取り組みに期待を寄せます。

 全農林東京地本の田沼繁委員長は、「われわれ職員は『農は国の基』を心に刻み、こうした機会に国産の良さを知り、がんばっている農家を応援していきたい」と話していました。


全頭検査が最も科学的に合理的

プリオン専門調査会元専門委員 山内氏が首相を強く批判

 アメリカ産牛肉の輸入再開問題で、食品安全委員会プリオン専門調査会の元専門委員・山内一也氏は「アメリカが非科学的だと拒否する全頭検査が科学的に最も合理的なBSE対策だ」と強調しました(写真〈写真はありません〉)。食の安全・監視市民委員会が四月二十二日に開いた講演会で述べたもの。

 山内氏は、全頭検査の科学的合理性について、(1)感染牛を食卓にまわさない(2)食肉へのSRM(特定危険部位)混入の確実な防止(3)年齢確認の必要がない―をあげ、「より高感度の検査法を開発するのが、正しい科学的な立場だ」と語りました。

 また、小泉首相が“科学的知見”を持ち出してアメリカ産牛肉の輸入再開を正当化したことについては、「政治的、社会的な理由をいっさい説明せず、科学者を利用している」と厳しく批判。

 さらに「国際貿易の発展で食の安全を守ることはますます難しくなる」と述べるとともに、BSE対策の国際基準を緩和するOIE(国際獣疫事務局)について「主要職にアメリカ農務省の出向者が就き、WTOの枠組みの中での議論になっている」と指摘しました。

 講演会には約百人が参加。会場からは「経済至上主義で安全対策をおろそかにすべきでない」といった声があがりました。

(新聞「農民」2006.5.15付)
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2006年5月

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