日本古来の食 見直そうスローフードフェア2006盛大にスローフードジャパンと横浜スローフード協会の共催による「スローフードフェア2006」が四月二十九、三十の両日、横浜市のパシフィコ横浜で盛大に開かれました。今年のメーンテーマは、「蘇(よみがえ)れ! 日本の大豆」。全国各地から農家、消費者、食品販売・加工業者、学校給食関係者らが集い、特産物や伝統食に舌鼓を打ちながら、日本の食文化について考え、交流を楽しみました。
“高い関心にビックリした”国産・製法にこだわる意欲もスローフード運動は、ファストフードに対抗するために、食の多様性、食文化や固有の味覚を取り戻し、生産者と消費者を結びつけることを目的にしています。会場には、みそ、豆腐、しょう油、豆乳、納豆などの大豆食品をはじめ、約八十の出展ブースが並びました。大豆畑トラスト運動に取り組む茨城・県南農民組合は大豆菓子、黒豆納豆などを販売。トラスト運動の説明や大豆食品の販売を精力的にこなしていた山口徹事務局次長は「対話した人の多くが、トラストに興味を持ってくれました」と交流に手応えを感じていました。 地元・神奈川からも出品。無添加ハム・ソーセージの中津ミート(愛川町)はウィンナーの試食コーナーを設け、列が途切れないほどの大盛況。高澤健男営業部長は「スローフードへの関心の高さに驚いています。輸入豚が増えている中で、国産と製法にこだわっていきたい」と意欲をみせていました。 大豆関連資料ブースには、「遺伝子組み換え(GM)不使用」表示のある豆腐からGMが検出された農民連食品分析センターの試験結果を掲載した新聞「農民」が展示されていました。
よみがえれ日本の大豆トラスト運動紹介、セミナーで現状討論二十九日には、「日本における大豆文化と発酵文化」をテーマにしたセミナーが開かれ(写真下〈写真はありません〉)、輸入が増え、自給率が三%と低い大豆の現状を討論しました。小泉武夫・東京農業大学教授はビデオ出演で基調講演。日本では古くから、水田で稲を作り、畦(あぜ)道で大豆が栽培されてきたことにふれ、水田はご飯、畦道はみそ汁の役割を果たしてきたと指摘。「日本の大豆文化を次世代に残そう」とのべました。
学校給食に大豆積極的取り入れ各パネリストは、「大豆オーナー制度」、発酵技術の開拓、伝統料理の保存などの生産や加工、販売の取り組みを紹介。横浜市栄養職員の巴浩子さんは「子どもたちに大豆を食べてもらうために、大豆食品を積極的に取り入れ、年に何回か国産・地場産の日を設けたい」と意欲を語りました。県南農民組合の小林恭子事務局長は、九割の農家が切り捨てられ、大豆への補助金が廃止される「品目横断対策」の問題点を指摘。消費者らと手を結んで取り組むトラスト運動を紹介したうえで「大豆を食べながら、一緒に運動を進めましょう」と訴えました。 討論のまとめで作家の島村菜津さんは「一日一食でも日本の原風景を再現した食事をし、農業に思いをはせながら、スローフード運動を広げよう」と呼びかけました。 娘と参加した本多和代さん(37)=横浜市西区=は「外食ばかりの食生活を見直さなければ。食育の意味を改めて考えたい」と話していました。
(新聞「農民」2006.5.15付)
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[2006年5月]
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