本の紹介
小川政則・編
「農業体験で元気をもらったぞ!」
“農業が輝きだした”を実感できる
昨年九月、神奈川県農業問題研究会は「シンポジウム―農業体験学習・生消交流による援農活動・ファームサービスにどう取り組むか」を行いました。この本は、シンポジウムの記録です。編者は、神奈川県農業問題研究会の代表幹事で、全農で技術主幹をしていた小川政則さん。
シンポジウムでは、基調報告で、長野県飯田市の職員が同市の取り組みを紹介。また、神奈川県内の取り組みを、農民組合神奈川県連合会の遠藤伴雄さんはじめ八人が報告しています。
飯田市では、農家が都市の住民を受け入れて、農業体験を通じて都市農業交流事業に取り組んできました。その内容は、中学生の体験教育旅行や「農村まるごとトラスト」という飯田型ワーキングホリデーなど実に豊富です。その原点について、同市産業経済部の井上弘司さんは「次の世代に地域が生き残るにはどうしたらいいかを考えたから」と話しています。
こうした農業体験による交流は、神奈川県内でも盛んに進められています。相模原市や服部牧場の取り組み、援農活動を受け入れている農家の経験など、その事例が実に豊かに語られています。
この本を読むと、「時代は変わりつつある」「農業が輝きだした」と、感じとることができます。そして、知り合いの農家がほしくなり、カマやクワを持って田んぼや畑に入りたくなるでしょう。
定価は、1200円+税。問い合わせは、本の泉社 Tel03(5800)8494まで。
(新聞「農民」2006.1.30付)
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