「農民」記事データベース20060116-715-09

旬の味


 「ライス・イズ・ライフ(米は命)」―昨年十二月の香港行動で、アジアの農民がこう叫ぶのをよく耳にした。いま私たちアジア人の命の源である米が危ない▼WTOとグローバル化の中で、米を主食とするアジアの国々の多くが伝統的な農業から輸出型農業へと移行している。輸出向けの果物や野菜など換金作物を作り、それを売った金で外国から米を買う▼主食を輸入に頼るということは命を他国に預けるのに等しい。すなわち先進国が主食となる穀物を生産し、途上国が輸出用作物を作るという二極化は、大国主導の力関係の維持に都合がよいのだ▼香港では米を主食とする国々によってライス・フェスティバルが催され、各国の米文化にもとづく演劇や歌、踊りなどが披露された。その国の風土と長い歴史の中で、米は人々の命を支え、暮らしを豊かにしてきた。命の源であり文化である米を取り戻そうという動きが世界で活発になっている。日本でも農民が先頭に立ち、世界に誇るべき米文化を守り伝えていきたい。

(歩)

(新聞「農民」2006.1.16付)
ライン

2006年1月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-22249

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2006, 農民運動全国連合会