「農民」記事データベース20060109-714-14

旬の味


 木枯らしの吹く十二月から二月にかけ、大阪泉州筋は“旬の味”冬キャベツ出荷の最盛期だ。キャベツは、ほかの野菜にくらべてたんぱく質も多く、胃腸障害に有効なビタミンUを含み、生食にも煮込みにも合い、何より淡泊な味に人気がある▼一九七八年、“松浪”という柔らかい新品種が開発され、これが大阪のお好み焼の市場を独占する契機となり、今も続いているというのが地元の一番の自慢だ▼WTO体制に移行した十年前、一万トン足らずだったキャベツの輸入量が昨年七万トンを超えた。今年は上半期だけですでに六万トンを超え、いくら産地廃棄しても価格暴落が止まらない輸入攻勢に、夏キャベツ産地が悲鳴をあげた。いつわが身にふりかかるのか、出荷に追われる産直農家の神経は、今するどく輸入動向にむけられている▼除夜の鐘は百八たたいて煩悩を除く。香港の空にこぶしを突き上げた百八人の仲間の手は、鍬(くわ)を持って大地を耕し、その芽は草の根となる。さあ!農業つぶしとたたかう年だ。

(西)

(新聞「農民」2006.1.2・9付)
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2006年1月

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