05年グリーンウエーブ 中央集結行動
食料と健康、地域農業守れ
米産牛肉の輸入再開やめよ
自給率向上、WTO協定の改定
農業の構造改革中止を
十月から全国でスタートした全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)の二〇〇五年グリーンウエーブ(食糧の波)中央集結行動が十二月六日、都内で行われました。この冬一番の冷え込みのなか、参加者は、各地の多彩な取り組みの成果にたって、「日本の農業を守れ」「アメリカ産牛肉の輸入再開をやめろ」「食料自給率の向上を」の熱い思いを政府にぶつけ、シュプレヒコールとともに、怒りのこぶしを振り上げました。
寒空の下 政府へ怒りのこぶし
◆農水省前
農水省前では、参加者が力強く訴えました。岡山県連の坪井貞夫書記長は「このままでは、中山間地が多い中国地方の農業が壊滅する。消費者と手を携えて、農業を続ける」と決意表明。新潟県連の町田拡会長は「生産から撤退すれば、株式会社の参入、輸入物の増加を許すことになる。集落で農業をやめる人を出さない決意で取り組む」とのべました。岩手県連の岡田現三事務局長は「農村に怒りが満ち満ちている。農業を続けられるよう運動を強めたい」と訴えました。
◆省庁交渉
農水省には、会場いっぱいの六十人が参加し、アメリカ産牛肉の禁輸継続、WTO協定の改定、農業構造改革の中止を求めました。参加者は「後継者がいるのに、農業が続けられない。こんな状態にしたのは農水省だ」「これでは農業をやめてしまう。自給率向上どころか、日本から食べ物がなくなる」と訴えました。
初参加の千葉県船橋市の石井新市さん(58)は「役人は百姓のことを考えていない。農水省の立場は、農民の立場とかけ離れている」と憤っていました。
厚労省では、アメリカ産牛肉の禁輸継続とともに、輸入食品の検査体制の強化などを要請。全農林東海の大宮健二委員長は「政府もアメリカの牛肉は安全だとははっきりいえない。毅然としてアメリカの要求にノーと言うことが大事だ」と語っていました。
文部科学省へは、給食への地元産食材の利用を拡大するため補助制度を充実することなどを要請。千葉県連の斉藤教子さんは「近くの学校が私の農地で野菜づくりをして、それを給食に使っている。子どもたちは一生懸命つくり、好き嫌いも食べ残しもなくなった」と紹介しました。
多彩な要求で多様な取り組み
中央集結集会で特徴を報告
交渉後は、台東区民会館で、中央集結集会とWTO香港行動代表派遣集会を開催。全国食健連の坂口正明事務局長が、多彩な要求で多様に取り組まれた今年のグリーンウエーブの特徴を総括。国民の食料と健康、地域農業を守るための政府要請にたいする賛同が、市町村長百十一、農協組合長百五十一、団体百四十の計四百二にのぼったことを紹介。また、四十三万に達した自給率向上署名を「春までに目標の百万に」と提起しました。
大阪食農府民会議の原弘行会長は、ブッシュ米大統領を迎え撃つ宣伝行動や、おう盛なターミナル宣伝などの取り組みを披露。
農民連の真嶋良孝副会長がWTOの現状を報告。農民連愛媛県連の森井俊弘副会長は「百人を超える代表、昔とは隔世の感。香港行動をぜひ成功させてほしい。愛媛でも、自治体・農協訪問を重ねました。各地の運動が多彩になったと感じました」と話していました。
中央収穫祭
WTO香港行動代表をはげます
夜には、中央収穫祭・WTO香港行動激励会が開かれ、百十人の派遣団を代表して秋田県農民連の佐藤長右衛門さんが「世界の農民と連帯して、『WTOは農業から出て行け』『食糧主権の確立を』と声をあげたい」と決意表明。同じく香港へ行く日本共産党の高橋千鶴子、紙智子両国会議員も連帯のあいさつをしました。会場には、二十二道府県三十一団体から、農産物や飲み物が出品され、懇親を深めました。
(新聞「農民」2005.12.19付)
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