「農民」記事データベース20051212-712-07

お米屋さんの収穫祭

生産者と消費者 一つになって交流

 農民連ふるさとネットワークは、準産直米を扱うお米屋さんの収穫祭を、十一月二十六日に埼玉県越谷市で、二十七日に東京都日野市の二カ所と埼玉県草加市で開きました。米屋さんと消費者、各産地からかけつけた生産者がひとつになって交流を楽しみました。


社長自らきねを握りもちつきに

埼玉・ライスプラザ草加店

 草加市のライスプラザ草加店は、今回初めての開催です。福島県のあだたら産直センター、北海道、秋田、城南食糧の人たちが参加。福島産の野菜が店頭に並び、ハクサイ、大根、キャベツ、シイタケが次々と売り切れました。山椒みそやさくらんぼのしば漬けも好評。四年連続で農水大臣賞を受賞した福島の根本雄二さんのシクラメンも店頭に並び、イベントに花を添えました。

 福島県二本松市の米生産者、安達正樹さん(50)は、ライスプラザ草加店に米を出しています。「自分が作った米が店頭に並んでいるのを見るのはうれしい。消費者と触れ合う場はめったにないので、いい機会でした。未明二時半に出てきたかいがありました」と、交流を楽しんでいました。

 同店は、草加に店を開いて九年。開店以来のファンという六十歳の女性は「ここでは故郷のお米が食べられます。おいしく長持ちするお米のよさを見直しています。またやってください」と、期待を語りました。

 米屋に訪れた人たちは、抽選券と引き換えで景品を手に。一等の新巻鮭、二等の魚沼コシヒカリを肩に担ぎ上げていく人の姿も見られました。「ドーン」という大きな音とともにできたポン菓子に「なつかしいねー」の声が響きました。

 もちつきが始まると、親子連れなどの人垣ができました。自ら杵を握ったライスプラザ草加店の社長、飯塚良二さんは「生産者の顔の見える米が一番。ここにいる生産者が米を作っているんだと、お客さんにアピールできたのではないでしょうか。こうしたイベントを毎年やりたいですね」と話していました。


生産者の顔が見えるお米が一番

東京・日野滝瀬商店

 「今日は日ごろご愛用いただいているお客さんや地域のみなさんに、生産者の顔の見えるお米や野菜を提供したい」と、東京・日野市にある滝瀬商店の滝瀬正幸社長。千葉や宮城、新潟、石川、福島などから、当日夜明け前から準備してかけつけた農民連の会員と一緒に、本店と百草園の二カ所で同時開催しました。

 本店では、子どもたちがもちつきに挑戦し、千葉産の産直野菜が飛ぶように売れていきます。また、試食用の一口大のご飯を用意した宮城の鈴木弥弘さんが、自ら作ったササニシキを販売。「おいしい」の声があがり、一日で百二十五キロ売れました。

 また百草園店では、もちがつきあがるごとに長蛇の列に。新潟農民連の皆さんが汗だくであんもちづくりに追われています。店長の滝瀬徳さんは、「今年もみなさんから元気をもらいました」と、話していました。


いつもこの店を利用しています

埼玉・越谷玄米工房

 越谷市の「玄米工房」北越谷店は、昨年に続いて二回目の開催。「玄米工房」は、首都圏を中心に米を卸すピュアネット・ジャパンの直営店。店先には、福島の果物や地元・埼玉のネギ、ハクサイ、そば粉などが並び、小春日和の陽気に誘われて、たくさんのお客さんでにぎわいました。

 「いつもこの店を利用する」という主婦の高宮愛子さんは「いろいろな銘柄があって、店員さんが丁寧に説明してくれるのがありがたい」と、店の魅力を語ります。店長の関根康展さんは「お客さんから“おいしかったよ”と言われることが何よりうれしいですね。今日のようなイベントで、なじみになってもらえれば」と話していました。

 埼玉からは大利根町の「主穀作受託協議会」のメンバー六人が、そろいのハッピを着て参加。同町農業公社の常務、平山育三さんは「消費者、流通業者と一緒に新しいものにチャレンジしていきたい」と話していました。

(新聞「農民」2005.12.12付)
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2005年12月

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