「農民」記事データベース20051205-711-14

旬の味


 木枯らしが山を雪に包んで野に降りる。会津もほどなく冬に入る。雪国の暮らしは、そこに住む人に困難をしのぐ知恵とともに忍耐の意味を教える▼十一月十七日の地方紙は「イラク派遣延長」と「牛肉の輸入再開」の大見出しで日米首脳会談を報じた。何のことはない。だれが見てもブッシュのいいなり、近隣諸国も世界も、この国の国民も見えない小泉首相に、腹も立つが空恐ろしい▼その記事に〇六年の「コメの生産目標二十六万トン削減」が並んだ。農水省が自民党農業基本政策小委員会に提示した方針で、十二月には市町村に降りてくる。「過剰供給によるコメの価格暴落を防ぐため」―よく言うよ。今年のコシヒカリの生産者価格は六十キロ一万四千円。それが三万円で店頭に並んでいる▼今、まさに冬。しかし、苛烈(かれつ)な冬を生き抜いてきたわれら農民のDNAが、新たな知恵と力でこの困難に立ち向かう。忍耐もまたたたかいの意志。この冬、農民連の仲間を村に増やそう。そこから、われらの春が来る。

(新)

(新聞「農民」2005.12.5付)
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2005年12月

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