農林水産「九条の会」ひろがる賛同の輪よびかけ人懇談会開 443人に
県ごとに「会」結成めざす記者会見で表明農林水産「九条の会」は十一月二十三日、呼びかけ人懇談会を都内で開き、今後の活動計画などについて話し合いました。憲法会議事務局長の川村俊夫さんが、「農林水産はなかなか難しい分野ですが、おおいに期待しています」とあいさつ。北海道「農業関係者九条の会」からメッセージが寄せられました。農林水産「九条の会」は、農林水産に関係する人たちに、作家の大江健三郎さんや井上ひさしさんたち九人が呼びかけた「九条の会・アピール」への賛同を広めようと、十七人の呼びかけで今年五月に発足しました。これまでに、農民や学者、農協関係者など四百四十三人から賛同が寄せられています。 懇談会に参加したのは、石井啓雄(駒澤大学名誉教授、元農水省農政課)、梶井功(東京農工大学名誉教授)、河井智康(海洋サイエンティスト)、坂本進一郎(農業)、佐々木健三(農民連会長)、佐々木覓(もとむ)(岩手・西和賀農協組合長)、暉峻(てるおか)衆三(元東京教育大学教授)、宮村光重(農業・農協問題研究所理事長、日本女子大学名誉教授)の八人。自民党が、平和憲法を戦争憲法に変える「新憲法草案」を発表した直後とあって、活発な話し合いとなりました。 秋田県大潟村で農業を営む坂本さんは、「以前、農業予算と軍事予算が三兆円ぐらいで同じになって問題になったことがあったが、今では軍事予算は五兆円を超え、農業予算は三兆円を割ろうとしている。こんないびつな状態で食料自給率を向上させることができるのか」と述べ、危機感をつのらせました。梶井さんは、「一九九五年以降、農政が変わってしまった。九条を変えようとする方向と一緒だ」と発言。暉峻さんは、「日本は石油をほとんど輸入している。もしストップしたらたいへんなことになる。だから軍隊が必要なんだ、という勢力がある。食料の輸入依存が高まれば、同じような論法になる。食料自給率向上は、こうした論をはねかえすものだ」と指摘。佐々木健三会長は、「農家に行くと、どの家にも戦争で亡くなった家族の写真がある。農村で九条を守ろうという対話や署名を広げたい」と、この間の取り組みを紹介して、さらに奮闘する決意を語りました。 懇談会では、(1)県別に「会」の結成をめざす(2)「九条守れ」の署名を呼びかける(3)ブックレット「私と憲法」を作成・発行する(4)「つどい」を開催する(5)第二弾の活版チラシを作成する(6)新聞に「意見広告」を準備するなどを確認しました。 懇談会の後参加者は記者会見をひらき、取り組みや今後の活動などについて報告しました。
(新聞「農民」2005.12.5付)
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[2005年12月]
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