「農民」記事データベース20051128-710-05

WTO香港行動参加者

私の一言


“日本人民かくたたかえり”と報告したい

 日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ(AALA)連帯委員会事務局次長・郡司 裕さん 日本では、多国籍大企業がもうける自由を最優先にする新自由主義が、いまだに猛威をふるっています。米金融資本のために郵政民営化を強行、安全が確認できない米国産牛肉を押し付け、多国籍企業の利益を守るための米軍基地強化を、住民無視で押し付けようとする日本政府…。

 しかし世界に目を転ずれば、新自由主義と米国の覇権を奉ずる勢力は孤立し、非同盟諸国をはじめ自主自立の歩みが力強く前進しています。この十二月、アジア諸国それぞれの繁栄をめざす「東アジア共同体」をかかげて東アジア首脳会議がひらかれ、最近アルゼンチンのマルデルプラタでひらかれた米州首脳会議では、米国本位の米州自由貿易地域(FTAA)構想を阻止。ベネズエラのチャベス大統領は首脳会議の夜、FTAA反対の大衆集会にも参加して「マルデルプラタはFTAAの墓場になる」と演説、新自由主義反対のたたかいの発展をよびかけました。

 米州首脳会議の最終宣言は、香港WTO閣僚会議の結果をみてFTAAを再検討するとしており、十二月の香港がもつ意味はいっそう大きくなっています。

 私たち日本AALAは来春、ベネズエラの代表団を招いて全国各地で歓迎連帯行事を行う予定です。そのとき「日本人民かくたたかえり」と報告できるよう、私も香港行動にたたかいの一粒として参加し、農民連のみなさんに学びながらがんばる決意です。


WTOを食糧と農業から追い出すために

 鹿児島県農民連会長・園山一則さん 香港WTO閣僚会議を三たび決裂に追い込むために、十二月に全国の仲間と香港行動に参加します。民主団体や「農民」読者のみなさんから募金や激励が寄せられていることにお礼申し上げます。

 WTOの役割とは、アグリビジネスの利益のために世界貿易を完全自由化すること。

 今、米の関税は四九〇%ですが、これが一〇〇%になれば、一俵二万三千円の輸入米が八千円以下になり、日本の稲作は全滅してしまいます。鹿児島県の黒毛和牛、黒豚、サツマイモ、サトウキビも同様です。関税引き下げをなんとしても阻止しなければなりません。

 WTO体制になって十年間、増えたのは農産物の輸入量であり、いま農家は規模の差はどうであれ、生産者米価をはじめとする農産物価格の暴落、未曽有の経営危機に見舞われています。

 生産者だけでなく消費者も、外国産の農薬残留農産物や遺伝子組み換え食品のはん濫による、食の安全にたいする限りない不安の渦中にあります。

 世界を見渡せば、食糧事情はますます悪くなり、いまだに八億人ともいわれる発展途上国の人々が飢えに苦しんでいます。こういうときに日本では減反を強行し、食料自給率引き上げに反する農政を続けています。

 私は、日本の農業を守れ、世界の家族経営を守れと香港に集まる世界の農民と手をつなぎ、食糧主権を守るため、WTOを食糧と農業から追い出すために全力をあげてたたかってきます。

(新聞「農民」2005.11.28付)
ライン

2005年11月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2005, 農民運動全国連合会