食品安全委答申案への意見交換会 全国で7カ所“輸入再開に反対だ”米国牛肉の安全性に懸念相次ぐ
アメリカ・カナダ産牛肉の輸入再開問題で、食品安全委員会は、両国のBSEリスクを評価した答申案についての意見交換会を、十四日の札幌市を皮切りに全国七カ所で開催しました。(写真〈写真はありません〉) 札幌会場では、同委員会プリオン専門調査会の堀内基弘委員が答申案を報告。「両国のBSEの汚染状況は確定できず、推定によらざるをえなかった」と述べるとともに、「輸出プログラム(二十カ月齢以下、危険部位の除去)が守られると仮定すれば『リスクは少ないだろう』ということになった」と説明しました。 続いておこなわれたパネルディスカッションでは、コープさっぽろの前濱喜代美専務が「輸出プログラムは誰が確認し、担保してくれるのか。仮に守られなかった場合は誰が責任を取るのか」と監視体制の実効性に疑問を提起。また、士幌町の肉牛農家、奥秋博己さんは「リスクはできるだけ少なくすべきだ。私たちはトレーサビリティを正確におこない、管理記帳もおこなっている」と、安全性確保のための国内産地の努力を紹介。そのうえで「輸入再開は反対だ」ときっぱり述べました。 会場からは「現在のアメリカのリスクはどうなのか」といった率直な質問も出され、堀内委員は「データがないので分からない。管理体制のリスクは日本よりも高い」と答えました。 (北海道農民連 野呂光夫)
各地で開かれた意見交換会の特徴は、アメリカ・カナダ産牛肉の安全性に強い懸念の声があがったことです。 食品安全委員会の答申案は、日米のBSEリスクの「科学的同等性の評価は困難」と結論づけるとともに、仮に輸出プログラムが守られるならばという前提のもとで、「リスクの差は非常に小さい」と評価しています。意見交換会の参加者は、この評価をもって輸入を再開することに、明確な「ノー」の意思を示しました。 政府は、この声を真剣に受け止めて、禁輸の継続を判断すべきです。
(新聞「農民」2005.11.28付)
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[2005年11月]
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