「農民」記事データベース20051128-710-01

米大統領来日怒りの総行動

危険な米国牛肉解禁するな!

 日米首脳会談が行われた十一月十六日、東京・霞が関では、農民連、全労連、公務労組連絡会が主催した「もうひとつの日本実現を―11・16決起集会」が開かれました。構造改革の名の下に、小泉内閣が進める公務員大幅削減、公共サービスの切り捨て、農協解体などの攻撃に反撃しようと、各地からのべ三千人が参加。農民連も千葉からバス二台で参加するなど、農業つぶしに怒りの意思を示しました。


もうひとつの日本実現を!

9条守れ・大増税反対 農民・労働者が共同集会

連帯の呼びかけに拍手わく


農民連

1人1人が窮状を示す請願書

集会で農業つぶしの実態訴え

 農業つぶしの根本には…

 農民連は午前中、農水省で個人請願行動。「二万円以上の米価実現を」「後継者対策をとれ」「食料自給率を上げる取り組みを」など一人一人の思いを請願書とともにぶつけました。

 長野県松本市の野菜農家、滝沢睦広さん(53)は「輸入が増え、野菜の価格が暴落。レタスなどの産地廃棄が進んでいます。農家は、生活できるかできないかで苦しんでいます」と窮状を訴えます。農民と労働者の共同の集会については「いい機会だった」と感想を語りました。

 午後からは、日比谷野外音楽堂で共同決起集会。農民連の佐々木健三会長は、アメリカ産牛肉輸入再開、九割の農民を農業から締め出す農業構造改革を批判し、「農業つぶしの根本にはWTO体制がある」と指摘。百人の代表団を送る十二月のWTO香港閣僚会議に向けての決意をのべました。

 大分・下郷農協の横山金也組合長は「農協を守ることは、地域とふるさとを守ること」だと強調。集会を「力強く思う」とのべ、農民と労働者との連帯の呼びかけに大きな拍手が送られました。

 公務員攻撃も農業攻撃も

 集会では「戦争をする国への流れとも連動した小さな政府づくりを許しません。公務・公共サービスの拡充、農業政策の転換など、憲法にもとづいた国の役割発揮を求めます。そのために、もうひとつの日本の実現を、私たちは高らかに呼びかけます」とのアピールを採択しました。

 農民連と食健連は再び、農水省前に戻り、要請行動。各団体の代表や地方からの参加者が、農業・食料政策への怒りの声をあげました。連帯あいさつした自治労連の藤田良子執行委員は「公務員攻撃も、農業への攻撃も、根底には、小さな政府をつくるねらいがあり、一体の攻撃であることがわかりました。参加者の一体感を感じました」と手応えを話していました。

 小泉改革を止める力を強く

 集会参加者は最後に、「憲法・教育基本法の改悪反対、憲法九条守れ」「庶民大増税・消費税引き上げ反対」「医療改悪反対、社会保障の充実を」などと唱和しながら、日比谷公園から東京駅までパレードしました。

 朝五時に広島を出発した世羅町の米農家、矢山武さん(62)は「小泉改革を止める力を強くしなければ。農家や労働組合が力を合わせた幅広い共同行動が大事ですね」と話していました。


京都食健連 安全疑問の米国牛肉輸入再開やめよ

大統領は圧力かけるな

牛の着ぐるみ宣伝、デモ行進

 日米首脳会談が厳戒態勢の下で開かれた京都では、京都食健連が呼びかけて、アメリカ産牛肉の輸入再開の動きに抗議する宣伝とデモ行進が取り組まれました。この行動には、兵庫食健連の仲間やBSE市民ネットワークなども加わり、約四十人が参加しました。

 約二十頭の牛の着ぐるみに身を包んだ宣伝隊が、ビラを配りマイクを握って、「安全が確認されないBSE汚染牛肉の輸入再開は許せない!」「国民の生命、健康にかかわる問題をアメリカとの取引の道具にするな!」「ブッシュ大統領は不当な圧力をかけるな!」と訴え。通行人が足を止めてビラを受け取り、テレビカメラも大勢押しかけ、宣伝行動は大きく盛り上がりました。

 農民連は、七台の軽トラックにむしろ旗を立てて自動車パレードを行い、沿道の市民から注目を集めました。「アメリカ産牛肉を輸入するな!」の唱和に拍手で応える若者や、手を振って応援する市民の姿が見られ、参加者も大いに元気づけられました。

(京都農民連 上原実)

(新聞「農民」2005.11.28付)
ライン

2005年11月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2005, 農民運動全国連合会