旬の味
例年になく暖かい秋を過ごしている。会う人ごとに「今年は暖かいですね」があいさつ言葉で、笑顔で会話もはずむ。私の小さな野菜畑も、来年の種まきを考えながら片付けがゆっくり進んだ▼オレンジ色に染まったから松の中で、小鳥がチィチィと遊んでいる。そんな自然に溶け込んで仕事ができる自分がうれしい▼ミルクローリが二日に一度、搾った牛乳を集めに来る。農家はこれに遅れないよう搾乳を終えなければならない。農家を回る順番が年によって変わるので、一番に当たるとあわただしい。それが今年のわが家だ。集荷の前夜、「明日は集荷日だから起こしてね」と少々緊張する▼牛乳は、体細胞、生菌数、抗生物質などさまざまな検査を受け、結果は全農家に知らされる。だから私たちは、毎日の搾乳に神経を集中し、とくに疾病には常に気を使って仕事をこなしてゆく▼“自然相手の仕事だもの”と納得しつつも、“もう少し気楽にやれたら、牛も人ももっと幸せではなかろうか”との思いを強くする。 (風)
(新聞「農民」2005.11.21付)
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[2005年11月]
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