「農民」記事データベース20051121-709-01

子育てママの力強い味方

新産直肉ボックス 神奈川でスタート

子どもに安全・安心 安い肉おいしく食べさせられる

 「安心・安全でおいしいお肉を安く、たくさん食べさせたい」―。そんなお母さんたちの願いに応えた産直肉ボックスが十一月から、新日本婦人の会(新婦人)と農民連との連携により神奈川県でスタートしました。その名も「子育てママ応援肉ボックス」。価格を抑えたボリュームたっぷりの新しい肉ボックスは、食べ盛り、育ち盛りの子どもを抱えるママの大きな味方です。


新婦人と農民連が連携

 ボリュームあり

「こま肉がやわらかく、ウインナーも舌触りがよくて、やさしい味。子どもたちが喜んで食べてくれます」と、子育てボックスの魅力を話すのは、横浜市青葉区で、四歳と二歳の子どもを育てる小泉民世さん(35)。今まで利用していた肉ボックスとお米と一緒に月一回配達されます。

 豚ひき肉三百グラム、豚こま肉三百グラム、ウインナー百四十グラム、ロースハムスライス八十グラムが一組で二セット入っている(写真上〈写真はありません〉)のが、今までの肉ボックスと違うところ。お肉は定番メニュー、肉加工品は毎回メニューが変わります。

 「ボリュームがあって安く、安全なお肉が欲しいというお母さんたちからの強い要望を取り入れて企画しました」と語るのは、神奈川農畜産物供給センターの岸和彦販売課長。「安くするだけなら、安めの部位で種類を減らせばいいのですが、そうすると配達コストが補えず、生産者やセンターの負担が重くなってしまう。そこで、二組の同じ規格を入れたボックスを考えました」

 二軒で分け合う

 月一回三千円。千五百円規格のお肉が二つ入っているので、子育て家庭二軒で分け合って使える便利さを兼ね備えています。手作りハンバーグやぎょうざにも利用でき、子育て世代だけでなく、ベテランママにも重宝します。豚汁大好き家族もみんなで楽しめます。

 アメリカ産牛肉の輸入再開問題、鳥インフルエンザなど食の安全を脅かすニュースが毎日のようにマスコミをにぎわせています。「安心・安全な肉を食べさせたい」(小泉さん)の思いは、子育て中のお母さんたちの共通の願い。子育てボックスを利用することで、小泉さんの買い物の回数も減りました。「料理に手間をかけられない子育て中のお母さんにとって、買い物に行かなくても届く便利さがいい。しかも安全・安心で一石二鳥」と太鼓判を押します。

地元の養豚場・加工場とタイアップ

 健康に育った豚

 子育てボックスに豚肉を提供しているのは、愛川町で養豚場と加工場を経営する、有限会社中津ミートの松下憲司社長。「丹沢からのさわやかな風を浴び、ミネラルを多く含んだ地下水を飲んで育った豚は健康そのもの。飼料(えさ)にもとことんこだわり、大麦、ライ麦、サツマイモを多く与えてコクのある味を出しています」と、おいしさの秘けつを語ります。

 「えさは遺伝子組み換えトウモロコシ・大豆を使いません。ソーセージ作りにも、卵、牛乳たんぱくの結着剤を使わないから完全無添加。アレルギーの子どもさんにもお勧めです。安心・安全の肉を自信をもって提供します」とアピールします。

 新婦人神奈川県本部の泉水令恵産直部長は「これなら友達や近所にも勧められると評判です。神奈川の肉を食べることで、地元産のよさを知ってほしい。生産者に直接意見を反映させることができるのも産直のメリット」と強調します。

 要求にこたえて

 一九九五年に肉ボックスを導入するなど、早くから産直肉ボックスに取り組んできた新婦人県本部は、生産者と消費者との交流に力を入れています。愛川町の松下社長の養豚場や加工場を見学し、子どもたちと一緒に「手作りウインナー体験」なども行ってきました。

 また同県の新婦人産直の野菜ボックスに野菜を提供している千葉県の多古町産直センターを親子で訪問し、産地見学と田植えや稲刈りなどの農業体験も実施しています。

 「若い人の食生活が変化しているなかで、野菜作りの現場を見て、苦労話を聞き、体験することで、食生活を見直し、農業の大切さを知る機会になれば」と語る泉水さんは、子育てボックスについて「産直をもっと利用してもらうきっかけになることを期待します。みんなで楽しく気軽に利用できるよう工夫できればいいですね」と話します。

 供給センターの岸さんは「消費者とコミュニケーションをとりながら、できるだけ多くの要求、細かい要望に応え、子育てボックスを広げていきたい」と展望します。

(新聞「農民」2005.11.21付)
ライン

2005年11月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2005, 農民運動全国連合会