「農民」記事データベース20051114-708-12

旬の味


 秋冬野菜の本格的な産直出荷が始まった。大阪泉州の“旬の味”ブロッコリーを一日も早く消費者へと、ほ場を見て回った。花実を抱いた見事な緑黄色のブロッコリーが畑一面に広がっている。今年は豊作だ▼ビタミンCが野菜の中で一番多いブロッコリー。ビタミンE、食物繊維、カルシウムを含み、抗がん作用もあり、栄養抜群だ。その上、癖がないので子どもらにも好まれ、無駄なく、使いやすく、調理に手間がかからない▼ところが、このブロッコリーが年間七万トンもアメリカなどから輸入されてくる。氷詰めにされ、船便で二十日かかるという。鮮度などまったくない。農民連食品分析センターが、これの栄養価を分析したら国産品の半分以下。キッパリと国産品に軍配があがった▼秋冬野菜の出荷期は三月まで続く。豊作に輸入急増が重なって、いつ価格暴落が起こるかわからないと、胸を痛める生産農家の気持ちは複雑だ。安心して物が作れるよう、食と農にもっと“ぬくもり”のある政治をと痛切に願う晩秋だ。

(西)

(新聞「農民」2005.11.14付)
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2005年11月

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