公布59周年シンポ開く改憲の狙い広め9条の会大きく自民の“憲法草案”を斬る
憲法公布五十九周年となる十一月三日、東京都内でシンポジウム「憲法九条の輝きを二十一世紀の日本と世界に」が開催されました(写真〈写真はありません〉)。創立四十周年を迎えた憲法改悪阻止各界連絡会議(憲法会議)が主催したもの。集まった約三百人の参加者は、現行憲法の大切さを実感し、改憲阻止に向けた幅広い運動を展開していく決意を新たにしました。 同シンポでは、日本共産党の上田耕一郎副委員長、静岡大学の小澤隆一教授、中央大学の中村方子名誉教授の三氏が講演。改憲派のねらいが、武力行使を禁ずる九条第二項の改定に集約されていることを強調しました。 「自民党の憲法草案では、九条第二項が大幅に変えられている。自衛隊の交戦権を認めてアメリカとの軍事同盟を強化するつもりだ」と指摘する上田さん。「EU憲法のように国民投票で否決されることをおそれ、向こうも必死でくる」と警戒します。 小澤さんは、「国政は国民の厳粛な信託によるもの」と定める前文が大きく削られていることに注目。「公益や国家が国民の自由の上にあるといわんばかりの内容だ」と告発しました。 「日本を再び戦争のできる国にする改憲は非常に危険」と、太平洋戦争を実際に経験した中村さん。戦後の平和に九条が果たしてきた役割が非常に大きなものであることを強調しました。 「各県で過半数の改憲反対署名を集め、国民投票を阻止しよう」「すでに三千を超えている“九条の会”を万単位に」―。力説する各氏の言葉を参加者は真剣に聞き入っていました。
もっと広範な人に呼びかけよう9条の会 分野別交流会「九条の会」は十月二十五日、東京都内で分野別交流・懇談会を開き、十の団体が参加しました。集まったのは、「農林水産の会」をはじめ、「医療者の会」「音楽の会」「マスコミの会」「宗教者の和」「詩人の輪の会」「女性の会」「映画人の会」 「科学者・研究者の会」 、そして 「俳人の会」。 それぞれの「会」は、この一年間の活動を振り返りながら、特徴や悩みなどを出し合い、より幅広い人たちにどう呼びかけていくか、宣伝の工夫、財政や専任体制など広範囲にわたって交流を深めました。 「九条の会」事務局長の小森陽一さん(東大教授)は、「総選挙の結果、『改憲』を競い合う勢力は、国民投票法案を国会提出しようとするなど、その動きなどを早めている。どこに運動の力点をおいていくか、おおいに交流しあいながら前進させよう」と、呼びかけました。 「九条の会」では、今後も定期的にこうした分野別の交流会を開催していく予定です。
(新聞「農民」2005.11.14付)
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[2005年11月]
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