「農民」記事データベース20051107-707-16

食と農・秋

ドイツ(下)


湖畔に昔の農村を再現した博物館

 ドイツ北部のミュンスターは、カトリック系の教会が点在する、中世の香り漂う町です。郊外には、昔の農村を再現したミューレンホフ野外博物館が、訪れる人々の心を和ませてくれます。

 森や公園など、緑が広がるミュンスター郊外。アー湖畔に建つ同博物館は、気軽に立ち寄れます。一九五九年から六〇年にかけて建てられました。一七四八年建造の木製水車を中心に、昔の農村を再現。十七〜十八世紀の農家、集会場、粉ひき小屋、靴屋、かじ屋などが小さな村を構成するように並んでいます。

 農家の中も入ることができ、かまどや排煙施設など、昔の農民の知恵を学ぶことができます。ミツバチのハウスでは、農家とミツバチとの密接なつながりを垣間見ることができます。

 ドイツは十八世紀後半から、産業革命で都市が近代化。その余波が農村にも及び、農機具などの機械化が進みます。農民の間にも貧富の差が生まれました。富農と貧農のそれぞれの家を対照的に見ることもできます。

 かごを背負い、都市と農村を行き来した昔の小商人、キーペンケール姿で案内してくれた博物館職員、ヴォルフラム・グスさん(40)は語ります。「昔ながらの農家の生活を、ぜひ知ってください。農家の知恵を学ぶことによって、農業の大切さを若い世代に伝えていきたい」

(おわり)

(新聞「農民」2005.11.7付)
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2005年11月

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