「農民」記事データベース20051107-707-11

本の紹介

橋本紀代子・編著「食べものはくすり」

野菜・くだものをもっと食べたくさせてくれる本


 古くから中国には「医食同源」という言葉があり、またヨーロッパでも野菜やくだものの効用が説かれてきました。

 本書は、古い漢方の本やヨーロッパの伝統医学の教科書をもとに、どんな野菜・くだものがどんな病気に効くのか、野菜・くだもの、海藻・魚介類にどんな薬効があるのか、そして最近の健康ブームの中で登場した「健康食品・サプリメント」をどう考えるかなど、食べものと病の関係をわかりやすく解き明かし、野菜やくだものをもっと食べたい気持ちにさせてくれる本です。また、橋本さんの仲間十八人が書いた絵手紙が本書を飾り、心をいやしてくれます。

 本書はまず、「ニンジンジュース」の話から始まります。ニンジンジュースを飲んで、鼻血が止まったり、のどの腫れが治ったり、冷え性、便秘にも効用があったり…。「つくり方」も載っていて、「それなら私も作って飲んでみるか」という思いに。

 寒くなってくるとカゼが心配です。「こんなとき、こんな野菜!」の章には、「せきやおなかのカゼには、レンコン湯」とありました。読んでみると、「そうか、そうだったのか」と感心しきりです。市販の薬品に頼らず、食べもので治す。これって“正解”ですよね。

 著者の橋本紀代子さんは、薬剤師、マッサージ指圧師、ケアマネジャーの資格を持ち、治療院を開業。指圧・マッサージの治療、薬局の漢方相談、保育園のケースワーカーなど、赤ちゃんから老人まであらゆる世代の病を、からだ全体から見つめてきました。「本書を台所や机の上など手の届くところに置いて、利用していただければ」―これが橋本さんの願いです。

(本の泉社、定価:税込み1500円)

(新聞「農民」2005.11.7付)
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2005年11月

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