グラフにみる異常な米価
生産者米価 30年前の水準下回る
稲作農家の労賃は、一日たった三千円。大企業の労働者の「時給」なみでしかない――「こんな価格では米を作り続けられない」と悲鳴があがる米価の異常ぶりは、政府の統計からも明らかです。
三十年前の一九七五年、米の生産者価格は一俵(60キロ)一万六千六百四十一円でしたが、いまはそれを下回る一万四千八百七十円(図)。肥料や機械、農薬は下がるどころか、三十年間でほぼ一・五倍になっており、結局、減るのは農家の手取りだけ。稲作の一日あたり家族労働報酬は、ついに三千円を割り、二千九百五十九円になりました(〇四年)。大会社の労働者の「時給」なみです。
八〇年代の前半まで米価が上昇したのは、食管制度のもとで生産費を保障するために政府米の買入価格を引き上げたため。しかしその後は引き下げに転じ、九五年には食管法を廃止し、外米(ミニマム・アクセス米)の輸入を始めました。米価に対する政府の責任放棄と外米輸入――これが米価暴落の根源です。
(新聞「農民」2005.10.24付)
|